調節弁の差圧が大きくて異常振動

アンモニアを製造するプラントで起きた事故だ
差圧の大きい配管の調節弁の異常振動事故だ
運転中に8Bの調節弁に大きな振動が発生し、調節弁まわりのブルドン管圧力計取りだし部から突然液が吹き出した
配管折損により、4名被液した事故だ
対策として振動防止用サポートを強化したものの,すぐに同じような事故が起きた
調節弁の差圧が約2MPaもあり、出口側はフラッシュして気液混層となる使われ方をしていたのが異常振動の原因だ
アンモニアは沸点は常圧では-33℃だが、圧力を加えると沸点は常温近くとなる
1MPaにもなれば沸点は30度になるから、気液混層状態となり始める

更に配管設計も悪かった
弁の後方は口径が20B(調節弁は8B)と急激に配管が太くなっており、時々激しいフラッシュ現象を起こし、配管が激しく振動したていたという
液が瞬間的に気化すれば,ガス化により体積は千数百倍にもなる
気液平衡状態であれば、すぐに一部は再液化して体積が縮小する
これを繰り返せば異常振動で配管が折れるのは当たり前だ
単純な配管サポートだけで問題は収まらない
再発防止の為、事故が起こらないように2つの対策を実施したという
一つは弁の形式を,アングル弁に変更した
もう一つは弁の下流側に,流れを緩やかに拡大する拡張管という部品を取り付けた
これにより異常な振動を抑えることができた
使用条件が,気液混層になる条件であればこのような振動に配慮することだ
高差圧である弁も振動には注意が必要だ
弁形式もグローブ弁やケージ弁では適さないこともある
アンモニアは,毒性も有り爆発性もある
ひとつ間違えば大事故にもなったかも知れない事故だ
圧力変化に応じた蒸気圧曲線を見て、使用圧力で沸点が外気温に近くなれば気液混層状態になり始めると考えて欲しい
https://www.sdk.co.jp/assets/files/products/finegas-list/nh3_h.pdf
調節弁の異常振動にも関心を持って欲しい

2022年12月17日