今年一年の重大事故を振り返って その1

今年一年を見ても多くの事故が化学工場などで起こった
事故の報道はされるが、1年経過しても原因や背景などはほとんどその後報道されることは無い
報道は,起きた事実だけを伝えるものだからだ 時間が経ってから2度と報道されることはほとんど無い
ここに、今年の国内外の主要事故を書いておく
2022/1/6 半導体の材料を製造する工場で爆発2人が重軽傷
https://www.rasa.co.jp/info2022011301.pdf
赤リンが関係する事故だ。消防法で危険物第二類として可燃性固体(着火しやすい固体や低温で引火しやすい固体)に指定されている
半導体材料の大手で市場へ与える影響も大きい。その後も、事故の原因は公表されていない
参考までに、2015年10月14日に起きた赤リンが関係する化学工場での事故事例があるので紹介しておく
事故の原因は、窒素を入れずに赤リンを投入していたからだ
原料として赤リンを入れていたが、投入網が赤燐の投入により動いたため、衝撃及び摩擦により発火して着火源となり、攪拌釜内のエーテル蒸気に引火したと言われる
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=101509
2022/2/11 新潟の米菓工場で火災、アルバイト従業員4人を含む6人が死亡
夜間に起きた火災で、すぐに停電し煙の充満により非常口から脱出できなかった事故だ
この事故は企業から中間報告と最終報告の事故報告書が出されている
https://www.sanko-seika.co.jp/pdf/news20220601_1.pdf
https://www.sanko-seika.co.jp/apology/pdf/news20221215.pdf
火災時の避難訓練は、社員のみならず嘱託や協力会社員、アルバイトも含め必ず実施しておくことが大切だということだ。
非常灯は正常時には見えても、火災発生時は煙で見えない。やはり、訓練で逃げ道を体感させておかないといけないと言うことだ
着火源は油かすとの表現がある。職場の清掃がいかに大切か感じさせる事故だ
設備周りダクト周りの堆積物には常に注意を払う必要があると言うことだ
消防庁からも中間報告が出ている。参考にされたい
https://www.fdma.go.jp/pressrelease/houdou/items/cf3de8ff43d91834b30f49931ad7cd1de74c7bfb.pdf
天井に張り付けられた発泡ポリウレタンが火災拡大につながったとの記述がある
引用すると
「発泡ポリウレタン※2が吹き付けられた火災現場を模した天井(10×5m)にガスバーナーを近づけたところ、10秒程度で天井表面に着火した。
2~3分程度で天井全体に炎が回り、5分程度で天井全面がほぼ燃え尽きることが確認された。

2022年12月28日