化学物質の貯蔵保管の失敗で起こる事故

化学物質の貯蔵保管の失敗で起こる事故事例は多い
物質という物は時間が経てば変質する
夏場であれば温度が影響する。湿度も関係することもある。水分を含むと悪いことが起こる事例も多いからだ
こんな事故事例がある。塗料工場で起こった事故だ。原料を長期間保管しておいたため、水分が混入していた
水分の混入に気づかず、反応させていたところ反応暴走が起こってしまった
規格以上の水分が混入したからだ。成分検査をしっかりしていれば防げた事故だ
長期間保管した原材料は、万一を考え成分検査をしてから使用することだ
貯蔵している物質の組成の変化に気づかずに起こした事例がある
燃料タンクでの事故だ。原油を原料にして燃焼させて製品をつくる工場での事故だ
原油に含まれる水分量が増えているのに気づいていなかった。そのまま、運転を続けていたところ突然炉が失火したという事故だ
油の中に水分量が増えれば、燃えにくくなるのは当然だ。水分量の管理は必須なのに怠ったというお粗末な事故だ
やはり、成分管理はしっかりと行う必要がある
タンクで反応性のある物質を一時的に保管して失敗した事故事例がある
約10年前の2012年に起きたタンク爆発事故だ。いつもとは違い、満液の状態で撹拌をしなかったことにより起きた事故だ
https://www.khk.or.jp/Portals/0/resources/activities/incident_investigation/hpg_incident/pdf/2012-000.pdf
いつもは、タンク内に入る液はわずかで、冷却用コイルもタンクの底部にしか取り付けられていなかった
工事の時の廃液を一時的に入れる中間タンク、管理上重要視されておらず温度計も警報も取り付けられていなかった
反応器は重要とだれでも考えるが、貯蔵に使われるタンクはそれほど危険は無いとおもってしまうからこのような事故が起こる
化学物質の貯蔵保管について警鐘を鳴らず化学工学会の談話記事があるのでこれも参照されたい
https://sce-net.jp/main/wp-content/uploads/2020/10/DANWA2020_10_No172.pdf
たかが貯蔵保管と思わないで欲しい
化学物質であればしっかりと管理して欲しい
HAZOPでも貯蔵によるずれを見逃さないで欲しい

 

2023年01月07日