寒くなって起こる事故ーー凍結トラブル

コンビナートで起こる事故を見ていくときに季節性というキーワードがある
夏に起こる事故、冬に起こる事故とそれぞれパターンがある
夏は温度が高いから、当然反応は進む
屋外に置いたドラム缶が蓄熱自然発火など温度上昇故の事故が多発する
とにかく化学物質は、日陰や冷暗所で保管しないと思わぬ反応が起こる
温度に敏感な過酸化物が、夏場事故を起こすケースが多い
ならば、冬は温度が低いから事故は少ないかというとそうではない
冬特有の事故が起こる
凍結での対応事例の失敗だ。最近は、温暖化で冬はあまり温度が下がらなくなってきたが以前はよく凍結トラブルに悩まされた
11月くらいになるとプラントをパトロールしながらスチームトレースを活かし始める
最初のうちは、勢いよく蒸気を出してくれるのだが、やはり蒸気は停めておくと鉄さびがスチームトラップに詰まる
蒸気を活かしてからもう一度パトロールが必要だ。これがスチームを活かすときのコツだ
スチームの元弁を開いたから大丈夫と思い込むと、あとで凍結トラブルに遭う
蒸気のトラップが作動していても、蒸気の量も見ておくことだ。吹き出し量が少ないと時間が経てば蒸気は停まることもある
10年に一度は大寒波がきて凍結事故が起こったものだ
凝固点が40℃くらいある物質を取り扱っているときはよく凍結トラブルに悩まされた
おまけにその当時は、保温材に石綿が使われていた
当時は、石綿が有毒だとはあまり意識せず軍手で触っていた。マスクもしてはいなかった
2000年頃に、規制がかかるまでは石綿の有毒性はほんとに皆意識していなかった
それでも、私より5才くらい年を取った人は、石綿による病気、中皮腫にかかった人がいる
機械系の保全担当者だ
やはり、石綿は怖いものだったのだとそのとき実感した
本題に戻るが、温暖化とはいえ急に気温が下がることもあるだろう
スチームトラップの点検には手を抜かないで欲しい

 

2023年01月09日