電気ケーブル火災

電気ケーブルというのは工場で沢山使われている
電気ケーブルの被覆はプラスチックだから火がつけば当然燃える
ケーブルという物は可燃物なのに火災という切り口での関心は薄い
電気ケーブルに火がつく事例で、油の付着で劣化が進み漏電して火がつく事例がある
ケーブルの外側に油が付けば、ケーブルを保護しているプラスチックやゴムが劣化する
劣化が進むと、どこかで放電が起こる
ゴムやプラスチックは可燃物だから着火する
最初はくすぶる程度だが、炎が大きくなるとあっという間に延焼していく
工場などでは、ケーブルダクトに沢山の電線が張り巡らせてあるから当然近くのケーブルにも延焼する
コンビナートで電気火災に関心を持ち始めたのは今から50年前の1970年代だったと思う
色々な所で、電気室火災が起こり始めたからだ
電気ケーブル工事でケーブルに傷をつけたことにより起こった火災もある
ケーブルにわずかな傷でもあるとそこを起点に放電する性質があるからだ
端子の接触不良で発熱して火災になった事故もある
ケーブルダクトに延焼防止剤を塗布しておらず、トンネル効果で炎が広がった事例もある
この頃を契機に、各工場ではケーブルダクトの防火区画を設けるようになった
数十m置きに、難燃性の樹脂をケーブルダクト内に充填して延焼防止をはかったものだ
とはいえ、開放型のケーブルダクトではこれだけでは延焼防止はむりだ
とにかく電気ケーブルが発火しない環境を作り出すことだ
通風の悪いところは発火し易い 高温の製造装置からは、ケーブルダクトはかなり離すことだ
高温機器の真上にケーブルダクトを通していれば、どうぞ発火してくださいというようなものだ
油や油ミストがかかる位置にケーブルを配置しないことだ。ケーブルの寿命を短くするからだ
たかが電気ケーブルと思わないで欲しい.良く燃える可燃物だと思って欲しい
昨今、発熱の早期発見で赤外線カメラを使う企業も多い
異常に早く気づく為の安全投資にも力を入れて欲しい

 

2023年07月25日