廃油をバキュームカーで処理して起こった着火事故

夏の暑い時期に工場の廃液をバキュームカーで処理していて起きた事故を紹介する
工場で廃液がでたときは、バキュームカーが使われることもある
排水など不燃性の流体は問題は無いのだが、可燃物となると着火爆発のリスクを考えなければならない
なぜならば、バキュームカーは車だから着火源となるものが存在する
エンジンやマフラーという高温部がある。更に機器を操作するスイッチ類もある。電気品は防爆ではないから火花は出る
可燃性物質は発火点や引火点が存在する。車の高温部と発火点や引火点が近ければ着火すると思わなければいけない
1974/8/2に川崎にある製油所で臨時の排水処理作業で起こった事故だ
<公開情報は無いが、高圧ガス保安協会が平成3年に発行した「コンビナート事故事例集」の事故事例NO125に詳細は記載されている>
事故の顛末はこうだ
廃油タンク(ガソリン、灯油他)の配管変更の工事を行なうことになった
300mある既設配管内の廃油の抜き取り作業を行なっていた
フランジのボルトをゆるめて、配管を吊り上げ廃油を少しずつ流出させて油を受ける小容器に受けながらバキュームカーで吸引していた
ところが、油の流れが悪いので30mの配管を吊りあげたところ配管のたわみ部に溜まっていた油が、一気に出て油受けから溢れてしまった
油受け皿と、バキュームカーが2m程しか離れていなかった。ルールではもっと離すことになっていたが守られていなかった
溢れた油が、バキュームカーの停まっている近くまで拡がってしまった
その結果、エンジン排気管付近から引火したという
バキュームカーの主電源スイッチを切ったときの火花で着火したという
配管の脱液が不完全だった事故ではあるが、バキュームカーを使ったことが法令違反だということだ
消防法ではガソリンなどの第一石油類はバキュームカーでの汲み上げはできないことになっている
引火点40度未満だからだ
バキュームカーが火気であるとの認識が薄れていたことが事故の原因でもある
更に法令で引火点40℃以下の可燃物はバキュームカーを使ってはいけないということを知らなかったことも要因だ
車は火花を出したり、高温部分もある
車は着火源でもあると考えて欲しい

 

2023年07月30日