乾燥炉トラブルが社会に大きな影響を及ぼすことがある

車のバネを製造する工場で爆発事故が起きた
この事故でトヨタの工場が停止するなど大きな影響がでたという
トヨタは在庫を持たない主義だから影響は甚大だった
https://www.tokai-tv.com/tokainews/article_20231026_30863
トヨタの国内8工場13ラインが稼働を停止したとのことだ
このように、生産トラブルが起こると大きな影響を及ぼすこともあるのが今の現状だ
労災自体は軽症で済んだ乾燥炉の爆発事故ですが、顧客の事業継続に多大なる影響を与えてしまった事故だ
乾燥炉の爆発原因はこうだ。通常、燃焼室のバーナーで作り出した熱を乾燥炉へ送り込んでいる
ところが、燃焼室と乾燥炉の間を循環しているダクトのフィルターの目詰まりが起きてしまった
目詰まりの原因は、近くで粉塵が出るような設備の撤去工事が行われていたからだ
工事の粉塵で、フィルターが詰まり、結果として空気循環が悪化したことにより、
燃焼室内の温度が上がりすぎた。温度が高くなったことから、運転対応としてバーナー燃焼用の空気供給量を抑えたところ
燃焼室から不完全燃焼のガスが発生、乾燥炉内に流入、蓄積するような状況となった
その後、炉内温度が下がり過ぎたため、バーナーへの空気供給量を増やす対応をした
当然、一気に燃焼量が増え、バーナーの火が強まり、乾燥炉内に溜まっていた不燃ガスに到達し引火して一気に爆発したようだ
最初のきっかけは、隣接エリアでの撤去工事で発生した粉塵の影響でフィルターが目詰まりしたことだ
次に、炉の温度変化に対し運転操作がうまくいかず不完全燃焼から爆発に至ったというわけだ
火が消えていれば、安全に停まるようなインターロックは持っていたはずだ。つまり失火検知機能だ
不完全燃焼時の対応は、たぶん人に頼るところが大きかったのかも知れない
他社でも空気ダンパーの急変などで同様な事故も起きている
トラブルが起きたときは安全に停めた方が事故にはならない 生産優先だったのかも知れない
乾燥炉を持っている企業は参考にして欲しい事故事例だ

 

2023年11月19日