除害設備があるから安全だと思い込まないで欲しい

有毒なガスが漏れると風に流されて広範囲に被害が広がる。工場内で被害が収まるわけではない
ガス漏れによる世界最大の事故は、インドで起きた
1万人以上の死者を出し。30数万人の健康被害を及ぼした事故だ。色々な文献が出ているので見て欲しい
https://www.shippai.org/fkd/cf/CC0300003.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/safety/26/6/26_346/_pdf/-char/ja
甚大な被害を出したのは、除害設備がしっかりと機能し無かったということだ
それだけではない、行政への通報が遅れたことも大きな要因だ
有毒ガスの拡散は、かなりスピードが速い。事故が起きたら時間との勝負だということを物語っている
日本ではあまり知られていないが、四日市のコンビナートでガス漏れ事故を起こしている
1974年4月30日の事故だ。液化塩素を大気に漏洩し 住民12000人が被害を受け社会問題となった事故だ
これほどの大事故なのに、ネットで探してもほとんど情報が出てこない事故だ
当時は公害問題が起きており、公害罪で起訴したことからのその適用で解釈がむずかしく、ものすごく裁判が長引いた
業務上過失傷害ならすぐに結論が出たはずだ
https://core.ac.uk/download/pdf/229786048.pdf
4月と言えば新人がはいる時期だ。ベテランが新人と一緒に教育をかねてバルブ操作をしていたときにこの重大事故は起こった
この事故は、新人が開けてはいけない弁を開けてしまったのだ
更にどこが誤って開けられたのかに気づくのにも遅れ被害が広がった
単純な弁の誤操作がこれだけの被害を出す。有毒ガスに関係する事故は被害者の量が膨大となる
異常が起きたら、原因究明に時間をかけすぎるなということだ
高濃度のガス漏れだと、ガス検知器のセンサーもすぐに不良となる。ガス検知器が正確に指示を出さなくなるのだ
高濃度のガスは存在しているのに警報は鳴らないということになる
除害設備を持つなら過去の事故事例とその教訓を学んで欲しい
除害設備があるから安全だと思わないで欲しい

 

2024年05月10日