アルカリが引き起こす事故

化学物質の代表的なものとして、酸とアルカリがあることは世の中で良く知られている
酸は金属を溶かすと言われる。だから、金属表面処理などにつかわれる。金属を腐食させたりするからだ
薬品に人が触れると薬傷を起こす
アルカリはと言うと、人を溶かすとも言われる。人の皮膚などは、タンパク質でできているから、それを良く溶かすからだ
いわゆる皮膚のとかす物質だ。目に入れば、眼球を損傷し失明させることもできる怖い化学物質だ
酸もアルカリも労働災害に関わることが多い薬品だ
酸は金属を犯すといったが、アルカリは金属にどんな影響を与えるのだろう
よく知られているのは、アルカリ腐食と言われる現象だ
アルカリによるステンレスの応力腐食割れ事故も多い
アルカリは触媒になることがある。ある特定の化学物質では、激しく反応を起こすことがある
無水マレイン酸の分解爆発の文献がある
https://www.jstage.jst.go.jp/article/safety/2/2/2_106/_pdf/-char/ja
無水マレイン酸という物質ではわずかなアルカリが存在していても異常反応を起こす。混触という見方で見ても良い
過去こんな事故が起きている
http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0200093.html
川崎で死者18名を出す爆発もある。プロピレンオキサイドとアルカリの事故だ
事故が起きた1964年にはプロピレンオキサイドとアルカリとの重合反応が起きることは知られていなかった
http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0000121.html
2017年1月に和歌山の製油所で起きた配管漏れ火災もアルカリが関与している
https://www.eneos.co.jp/newsrelease/20170614_01_01_1150234.pdf
このアルカリ腐食のメカニズムはいまだに良く解明されていないという
酸が引き起こす事故も多いが、アルカリが引き起こす事故にも関心を持って欲しい

 

2024年06月24日