火災時の耐火被覆効果

耐火被覆という言葉を知っているだろうか
化学工場で火災が起きたときは、可燃物が燃えさかるのは誰でも想像出来る
化学工場では、鉄骨構造物が沢山ある 火であぶられれば、鉄で出来た構造物でも熱で柔らかくなり被害を受ける
つまり、鉄で出来ていた頑丈なものも火であぶられれば強度が無くなるからだ
本当に鉄で出来た柱も、熱で弱くなり曲がり始める 化学工場の、パイプラックと言われる配管ラックはあっという間に火災で影響を受ける
2016年4月22日中国で起きた化学火災の事故の写真でパイプラックの被害写真がある
出典はこの事故情報だ  http://tank-accident.blogspot.com/2016/05/1.html
耐火被覆の無いパイプラックが、あめのように曲がっている
パイプラックの耐火被覆が、無かったことにより被害を最小化できなかったと思われる
このような状況になれば二次災害も起きる
配管のフランジは曲げにより隙間が出来てガス漏れが起こる。そこから2次火災が起こることがある

日本では、ある程度の法規制はされているが、耐火被覆の有用性はそれほど認知されていない
火災で影響を受け易い可燃物を扱う化学工場の屋外の柱は耐火被覆をして欲しい
ある事故報告書によれば耐火被覆の無かった工場での事故被害は数倍とも言われている
アメリカのCSB(Chemical Safty Board)という機関が公開している事故報告書に写真がある
以下の頁を開けて,final reportをダウンロードしてみて欲しい
https://www.csb.gov/valero-mckee-refinery-propane-fire/
耐火被覆をしている柱と、耐火被覆の無い柱の違いがよくわかる写真が30/65頁目にある
鉄でできている構造物は強いと思っているかも知れないが,炎であぶられればあっという間にぐにゃりと曲がる
耐火被覆をしっかり考えて欲しい

 

2024年08月05日