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設備は冗長化したら安全か ダブロック弁化しても事故が起こっている

ダブルブロック 失敗 1969/8/24の事故だ
千葉県にある酸化エチレンプラントの事故だ。スタート時窒素パージ中に空気の漏れ込みによる事故だ。
ダブルブロックで安全を確保する方式だったのに、運転員が弁を片方締めておらず空気が漏れ混んで爆発混合気ができ爆発した事故だ。
空気の漏れ込みで、酸素計の指示が上がっていたのに,安易に計器の誤作動だと思い込んで起きた事故でもある。
ダブルブロックで設計されていても、運転員が設計思想通りに2つの弁を同時に操作しなければ事故は起きると言うことだ。
ダブルブロックだから大丈夫だというわけではない。人が二つとも弁を閉めない限り、正しく機能はしない
ダブルブロックの安全思想が、運転にはうまく教育できていなかった事例だ
ダブルブロック方式だから、絶対安全だと思わないで欲しい。運転員が、片方の弁しか操作していなければ、機能し無いということだ 
 1986/1/21にやはりダブルブロックがうまく運用されず事故が起きている
この資料を見て欲しい 出典失敗百選   http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0000113.html
出典:カーボンニュートラル燃料技術センター事例20
https://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00020.pdf
https://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00020_s.pdf
製油所で加熱炉昇温作業中、燃料ガスが漏れ込み炉内爆発した.防護壁壊れ通行中の作業員負傷--鉄製壁が9m吹き飛び、耐火レンガが半径30mの範囲に飛散した事故だ
ダブルブロックだから安全だとは言えない事故だ。安全のためバルブは2重化し、マニュアルでもパイロットバーナー点火時はメインバーナー側のバルブはダブルブロックすることと定めていたが、それを守らなかった事故だ
燃料バルブをダブルブロックすべき所のバルブを下流側だけしか閉としなかった。 
わずかに漏れていた燃料ガスで点火時に爆発。窒素置換を終了し触媒再生作業のため加熱炉のパイロットバーナーを順次点火していたところ、突然加熱炉内で爆発
マニュアルでは、9本あるパイロットバーナーに点火を完了後、メインバーナーのガスライン(バルブは漏れ防止の為2重化され直列に2個設置されていた)のバルブを開けてメイン側バーナーに点火することになっていた。
しかし、これを守らずパイロットバーナーのガスラインを生かした時、メインバーナー弁をダブルブロックしておらずわずかに漏れがあり、メインバーナーからガスが炉内に漏れ込んでいた。これを知らずにパイロットバーナーに順次点火していた所9本目で爆発した事故だ
安全設計がなされていても、設計思想を理解して運転員が正しく操作しない限り事故は起こる
HAZOPでも見て欲しいのは、ハードとソフトがきちんとできているかを見て欲しい。
運転マニュアルの充実度、教育状況などソフトの面で問題がないかHAZOPでも見て欲しい

 

2026年02月15日

製油所で社員死亡事故について思う

昨年5月大阪にある製油所で定修工事中に硫化水素が漏れて現場で工事監督をしていた社員が死亡した事故があった
作業をしていた協力会社員も硫化水素で中毒を起こしたが,一命は取り留めた
https://www.sankei.com/article/20250517-KGEDFXIW4NJ7JN6TKHL7DIS6JY/
昨日この事故に関し,死亡した社員を業務上過失致傷の罪で起訴したとのニュースが流れていた
https://news.yahoo.co.jp/articles/702642366d935e04d5a67376c67a141fd067a355
現場の工事の責任者である社員が、起訴されたということだ。年齢は44才で普通で言えば,ベテラン社員だ
なぜ,罪に問われたのか思っていたら、企業からこのような事故報告者が出されていた
https://www.eneos.co.jp/information/2025/20260206_01_01_mr02.html
報告書を読んでみるとこんなことが書いてある
社員と協力会社員が、現場でフランジに仕切り板を入れる作業を始めた。フランジを開き始めたところ硫化水素が吹きだしてきた
フランジのすぐ隣にある,弁を閉めておらず,弁の上流側には硫化水素が流れていて,フランジを開けたとたんに硫化水素が吹きだしたという
なぜ、弁を閉めずにフランジを開き始めたかは,社員が死亡しているので報告書には書かれてはい無い
フランジを開放するなら,前後の弁を閉めるのは基本中の基本作業だ。その基本を怠ったというのだ。
信じられない話だが,事実だ。しかも,44才の社員だ。
もう一つの問題点がある。現場にはライフゼムという保護具を持っていっていなかったという
ガス検は持っていてガスが漏れたことは、社員はきずき、なんとか対応しようとしたようだ
しかし、数十%の高濃度の硫化水素(H2S)で瞬く間に意識を失ったようだ。硫化水素による死亡事故や中毒事故は,過去にも何度も起きている
https://www.shippai.org/fkd/cf/CC0000027.html
現場で作業していた協力会社員はライフゼムなどの保護具は使っていなかったという(27/58頁報告書参照)
作業開始時点で5PPMのH2Sが検出されていたのに、保護具を使わせていなかったと記述がある
もともと,危険作業で保護具(ライフゼムやエアーラインマスク) すら社員も協力会社員も使わないところに本質的な問題点を感じる
フランジ開放作業は,何か漏れてくる可能性のある危険作業だ。それなのに,保護具を使っていない。慣れた作業とみていたのだろうか
現場で56.5PPMのガス検知器警報がなっていたという 社員も作業を助けようとしていたようだ
しかし,保護具無しでは所詮無理だったと言うことだ(ライフゼムやエアーラインマスク)
報告書では現場で確実に作業できる人が少なくなってきているとの記述もある(50/58頁報告書参照)
定修期間の長期化で,現場で作業する経験も減ってきている。長期連続運転の弊害であるのかなと感じた事故だ
知識だけの教育では不十分だ。技能教育にも力を入れる必要があるのだろう。フランジ割りを甘く見ないで欲しい

 

 

2026年02月09日

金属に関する知識も学んで欲しい-鉄の強度は低温で極端に落ちる

鉄という金属はあらゆる産業に使われている。金属の中では値段が安いのであらゆる所に使われる。
値段が安いと言うのは強みだ。そうは言っても鉄は万能では無い。低温脆化という問題点もある
鉄は低温まで使えるかというと、低温には実に弱い。温度が低くなると、金属は脆くなり割れなどが起こるのだ
低温脆化とは.金属は温度が下がると、脆くなり割れたりすることがある現象だ
マイナス20℃がいいとこだ。ちょっとした寒波が来れば鉄はかなり「リスク」がある
低温材料としては、高圧ガス保安法の冷凍則関係でも材料の基準がありる。
よく使われる炭素鋼のSM材でも、板厚によって-20~-55℃以下では使えず、配管でもSGPは-25℃まで、STPGは-50℃までだ
皆さん方の所で、低温脆化をどれだけリスク評価しているのだろうか
低温脆化の事故事例は少ないが甘く見ないで欲しい。こんな事故事例もある。参考にして欲しい
https://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00271.pdf
https://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00272.pdf
https://sce-net.jp/main/wp-content/uploads/2016/03/2007-11-Beacon-Japanese.pdf
https://sce-net.jp/main/wp-content/uploads/2016/03/No19.pdf
鉄は高温領域でも使える。値段が安く強度もありあらゆる産業にて使われる。化学プラントでも金属選定では、あらゆる評価が行われる
強度、耐食性、コストなどを総合的に評価して材料選定が行われる
このバランスをとるのがなかなか難しい。経済性を考えすぎてもいけない。性能の限界を追ってはいけない。
どこかで妥協せざるを得ない。このバランスが難しい。鉄と言うものは、含有する炭素濃度によって性質はかわる
炭素分がほとんど入っていないと純鉄になる。
炭素分が入らないと鉄の性質はとても固くなる。固いというのはいいことなのだが、折れやすいという欠点がある
日本刀であれば、炭素分が少なすぎると簡単に折れてしまう
鉄というのは、含有する炭素分を変えれば、固くすることもできる。逆に炭素分を増やせば柔らかくすることもできる
金属というのは実に面白い、微妙に成分を変えることで性質が変わってくる。金属の性質についても勉強して欲しい
化学工場で安全を担当するなら、金属に関する知識も必要だ

2026年02月07日

物質の蓄積で起こる事故

物質の蓄積が原因で事故が起こることがある
化学物質は色々な所で滞留することがある。滞留するとその場所で、徐々に濃度が上がっていくことがある
この濃度というのがくせ者だ。化学物質は、濃度が上がると危険性が増すことがある
たとえば、硫酸や硝酸でも濃度が上がると、その化学反応性はどんどん増していく
濃度が上がると危険なのだ
蒸留塔のボトムなどに何かが滞留し蓄積することがある。これが事故につながる事例もある
神奈川県環境科学センターの化学物質事故  https://www.pref.kanagawa.jp/documents/2302/kagakubushitujiko.pdf
行き止まりで流れの無い配管で、物質が蓄積して事故が起こることもある
出典失敗百選 http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0200034.html
出典失敗百選 http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0000043.html
排ガスなどのダクト内で、化学物質の蓄積で起こる事故もある
出典:厚生労働省 職場の安全サイト 事故事例 https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/sai_det.aspx?joho_no=100167
濃縮して応力腐食割れを起こした事故もある
出典:KHKホームページhttps://www.khk.or.jp/Portals/0/resources/activities/incident_investigation/hpg_incident/pdf/2005-038.pdf
出典 カーボンニュートラル燃料技術センター-事例221
https://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00221.pdf
https://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00221_s.pdf
物質は蓄積すると時間の経過とともに濃縮する
濃縮すると、物質は活性度が上がる
結果として事故になることもあると言うことd
物質の蓄積や濃縮を甘く見ないで欲しい


2026年01月30日

粉塵爆発を甘く見るな

粉塵爆発とは粉を取り扱う時に起こる爆発だ。燃える粉を扱えばこの粉塵爆発は起こる
粉塵が爆発するというのは1892年イギリスで火災保険論という文書で書かれている
アメリカでは1924年に火災防止書籍に記載されている
粉塵爆発は100年前から知られていることだが、粉を甘く見ているというのが現実だ
小麦粉も燃える。当然小麦粉でも粉塵爆発は起こる。砂糖も粉状の微粉になれば燃える。粉塵爆発は起こる
日本で記録に残る最初の粉塵爆発は、1931年川崎で起きている。日清製粉という製粉工場だ。
https://www.nisshin.com/museum/teiichiro_shoda/leader/
現在でもこの企業は、これを糧にして粉塵爆発防止の技術を有している
粉塵爆発とは特別な現象ではない。単に燃焼の三要素が成り立っただけだ
物質が、たまたま粉体だったと考えれば良い。物質が気体ならばガス爆発という。粉なら、粉塵爆発言うだけだ
粉塵爆発はガス爆発と同様な原因で起こる。1つ目は今まで大丈夫だったという考え方だ
事故は、今までと何か条件が変化すれば起こる。粉の粒径に変化があった、投入方法が変わった、流速が変わったetcだ。
もう一つは、異常に気づく設備が不十分だったという事例だ。爆発の一つ手前の、燃えるという現象は空気が存在するからだ
爆発混合気にならないように、常時酸素濃度を監視する設備がないとか、点検を長期間しておらず酸素計が正常な指示が出ていなかったという事故事例も多い。もう一つは人為的なミスだ。手順を間違えるケースだ。
最後は、着火源だ。得てして、粉は静電気を発生する。静電気をうまく逃がせていないと着火する。
今回は過去の主要な粉塵爆発を紹介しておく
アメリカで起きた巨大な粉塵爆発で。英文だがビデオもあるので見ておくと良い
出典CSB事故調査資料とビデオ https://www.csb.gov/imperial-sugar-company-dust-explosion-and-fire/
化学工学会にも情報がある、
https://sce-net.jp/main/wp-content/uploads/2016/03/2008-05-Beacon-Japanese.pdf
https://sce-net.jp/main/wp-content/uploads/2016/03/DANWA2008_05_No25-0916.pdf
https://sce-net.jp/main/wp-content/uploads/2020/01/2020-01-Beacon-Japanese.pdf
https://sce-net.jp/main/wp-content/uploads/2020/01/DANWA2020_01_No163.pdf
https://sce-net.jp/main/wp-content/uploads/2021/06/DANWA2021_06_No180.pdf
粉を甘く見ないで欲しい。

 

2026年01月25日
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