突沸による事故を防げ

沸点を超えれば、沸騰し突沸という現象が起こることがある。水を温めて、お湯を湧かせば100度位で沸騰を始める。
安定的に、沸騰をしてくれれば良いのだが、突然熱水が噴き出すことがある。これを突沸現象という。
突沸により、工場や研究所でも多くの事故が起きている。
工場で起きるのは、廃液タンクなどで起こることがある。廃液の粘度を下げようと蒸気などで暖めていて突沸が起こるのだ。
急減に大量の蒸気が発生するから、タンクの天板が破壊される。漏れた可燃物や可燃性蒸気に火がつき火災や爆発になる。
研究所などでは、実験中温度が上がりすぎたときなどでおこる。あわてて、実験器具の中に冷やそうとして水を入れるからだ。
実験器具の中の温度が、100度を超えている状態で水を入れれば突沸が起こる。
可燃物を取り扱っていれば、可燃性蒸気で研究室内で火災や爆発になる。ビーカーなどから液が飛び散りやけどなどにもなる事例が多い。
沸点を超えれば突沸が起こると考えて欲しい。沸点を超えて暖めれば、突沸という危険源が顔を出すと常に思って欲しい。
化学工場では配管などを水で洗浄することがある。問題なのは、高温配管だ
水で洗浄して、水が完全に取り除かれていれば問題は無い。ところが、わずかに水が残っていると事故が起こる
水が残っている配管に高温の油を流せば、水は蒸発する。100度を超える油であれば突沸する
突沸で大量の水蒸気が発生すれば、蒸気圧で配管内の圧力が上昇する。異常圧力で配管が破裂することになる
撹拌が不十分で2000/7/5に突沸が起こった事故事例がある
反応器内の下層にあった水が突沸した事故だ
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/sai_det.aspx?joho_no=100718
こんな事故事例がある。配管内に水が残っているのに、高温の油を入れて突沸が起こった2004/5/24の事故だ
https://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00518.pdf
https://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00518_s.pdf
アスファルトを貯めるタンクで突沸事故事例もある
タンクの中に水が入っていたのに、それに気づかず温度を上げていったところ、突沸が起こった2012/6/28の事故だ
https://knak.jp/oil/cosmo-jiko.htm
https://tank-accident.blogspot.com/2012/11/blog-post_22.html
沸点を超えたら突沸が起こると思って欲しい
沸点にも常に関心を持って欲しい

2025年09月20日