台風が原因で起こる事故も学んで欲しい

9月と10月は台風シーズンだ。台風への備えも必要な時期だ
台風が来るとどんな被害がコンビナートで起こっているのか紹介する。
塩害の記録がある。碍子に塩が付着して電気設備に被害が出る現象だ。海沿いなら、注意して屋外の電気設備を点検しておくことだ。
タンク被害では、浮き屋根式タンクの雨水排水ますの点検を怠っていたことから屋根に被害が出たという記録がある。タンク天板の排水がうまくいかなければ、沈み込んでしまうからだ。倉敷のコンビナートで1987/10/17日に起きている。
https://www.shippai.org/fkd/cf/CC0000167.html
高波で防潮堤を壊され配管に被害の出ることがある 1994/9/27九州の油槽所で起きた事故だ
タンク周りの配管が波で壊されガス漏れが起きた。緊急遮断弁を閉めようとしたが、停電で計装空気が停まり弁も動かなかった
エアーシリンダーに窒素ボンベをつなぎ、なんとかタンクの緊急遮断弁をしめて爆発火災を防いだ事故だ
当時の台風の風速は最大51.3mだったという。台風恐るべしだ
https://www.jstage.jst.go.jp/article/safety/31/4/31_285/_pdf/-char/ja
半導体工場が台風で停電して工場を停めた後爆発事故が起きた事例がある。1995/9/17の事故だ
停電で真空系の配管に空気が入り、シランガスや水素が着火爆発した事故だ
https://www.shippai.org/fkd/cf/CC0200087.html
台風で浮き屋根タンクの屋根が沈んだ事故もある。2012/11/7の沖縄のタンクターミナルで起きた事故だ
https://tank-accident.blogspot.com/2014/01/2012.html
台風で工場を停めて、その後工場を動かし始めたとき電気配線の短絡で火災になった2018/9/6の事故もある。
https://ir.toyobo.co.jp/ja/ir/library/esg_meeting/main/013/teaserItems1/02/linkList/0/link/20210305%20ESGpresentation(J)6.pdf
台風でポンプの潤滑油配管が壊れ事故になった2019/4/6の事例もある
http://www.khk-syoubou.or.jp/pdf/magazine/191/kikenbutsu_jikokanren_info.pdf
アメリカなどではタンクヤードへの浸水によりタンクが浮力で浮いたという記録もある。ハリケーンだ。
大雨でタンク周りに水が来る場合は、タンク内を空に近い状態にしておくとこのようになる。しっかりと液を張っておくことだ。
台風のあと、塩害で電気の碍子などは時間が経ってから被害が出ることがある。しっかり清掃して事故を未然に防いでほしい。
台風でコンビナート地区の停電もある。フレアーが一斉に吹くので、住民からの苦情も大きい。
台風に備えて欲しい

 

2025年09月24日