電気配線のゆるみによる電気火災を甘く見るな
電気設備は、配線のゆるみによる発熱事故に注意する必要がある
ある原子力発電所で、停電時に自動起動するはずの非常用発電機をテストしたら動かなかったというトラブルがある
原因は、非常用発電機の配線のねじが緩んでいたことだ
原因を調査したところ、どうやら約10年前の納入段階から配線は緩んでいたという
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51948640Y9A101C1L41000/?n_cid=SPTMG002
トラブルを起こした、北海道電力は、製造した会社の監査が不十分だったとしている
いわゆる、製品の受け入れ検査のありかたに問題があったという意味らしい
https://www.hepco.co.jp/info/2019/1246121_1803.html
このトラブルは、発注者側の受け入れ検査能力の問題と、製造メーカー側の品質管理能力の両方が関係すると考えた方がいい
製造メーカーが悪いでは、事は済まされない
トラブルの背景には、発注者側にも、メーカーの能力を見抜けるようなたたき上げの人がいなくなってきていることだ
原発を造ったり、増設改造した人はたぶん電気盤などのメーカー検査の経験は沢山あったはずだ
昨今のように、原発の新設がなかったり、改造工事などがなければ、若い人は検査の経験を積むこともできない
製造メーカー側にも、ベテランが少なくなってきていることも背景にある
メーカーでの検査不備が起きたのは、2009年というから、丁度団塊の世代が大量退職していた時代
たたき上げの職人さんが、現場にいなくなり始めた時代だ
電気の配線チェックというのは、通常導通チェックという手法で一本一本配線を検査していく
線をつないでいなかった、誤ったところにつないでいれば、この方法で簡単に異常を見つけられる
しかし。今回のように、端子の絞めが甘かったというのを導通検査などで見抜くのは難しい
完全に緩んでいない限り、線の導通検査では発見できないこともあるからだ
今回は、初期不良だが工場にある何十万本という配線のゆるみを経年で管理していくことは難しい問題だ
配線の端子は、時間が経てば緩んでくるものもある
配線のゆるみは電気火災にもつながることもある
赤外線カメラなども使って接触不良をうまく見つけて欲しい
