製油所で社員死亡事故について思う
昨年5月大阪にある製油所で定修工事中に硫化水素が漏れて現場で工事監督をしていた社員が死亡した事故があった
作業をしていた協力会社員も硫化水素で中毒を起こしたが,一命は取り留めた
https://www.sankei.com/article/20250517-KGEDFXIW4NJ7JN6TKHL7DIS6JY/
昨日この事故に関し,死亡した社員を業務上過失致傷の罪で起訴したとのニュースが流れていた
https://news.yahoo.co.jp/articles/702642366d935e04d5a67376c67a141fd067a355
現場の工事の責任者である社員が、起訴されたということだ。年齢は44才で普通で言えば,ベテラン社員だ
なぜ,罪に問われたのか思っていたら、企業からこのような事故報告者が出されていた
https://www.eneos.co.jp/information/2025/20260206_01_01_mr02.html
報告書を読んでみるとこんなことが書いてある
社員と協力会社員が、現場でフランジに仕切り板を入れる作業を始めた。フランジを開き始めたところ硫化水素が吹きだしてきた
フランジのすぐ隣にある,弁を閉めておらず,弁の上流側には硫化水素が流れていて,フランジを開けたとたんに硫化水素が吹きだしたという
なぜ、弁を閉めずにフランジを開き始めたかは,社員が死亡しているので報告書には書かれてはい無い
フランジを開放するなら,前後の弁を閉めるのは基本中の基本作業だ。その基本を怠ったというのだ。
信じられない話だが,事実だ。しかも,44才の社員だ。
もう一つの問題点がある。現場にはライフゼムという保護具を持っていっていなかったという
ガス検は持っていてガスが漏れたことは、社員はきずき、なんとか対応しようとしたようだ
しかし、数十%の高濃度の硫化水素(H2S)で瞬く間に意識を失ったようだ。硫化水素による死亡事故や中毒事故は,過去にも何度も起きている
https://www.shippai.org/fkd/cf/CC0000027.html
現場で作業していた協力会社員はライフゼムなどの保護具は使っていなかったという(27/58頁報告書参照)
作業開始時点で5PPMのH2Sが検出されていたのに、保護具を使わせていなかったと記述がある
もともと,危険作業で保護具(ライフゼムやエアーラインマスク) すら社員も協力会社員も使わないところに本質的な問題点を感じる
フランジ開放作業は,何か漏れてくる可能性のある危険作業だ。それなのに,保護具を使っていない。慣れた作業とみていたのだろうか
現場で56.5PPMのガス検知器警報がなっていたという 社員も作業を助けようとしていたようだ
しかし,保護具無しでは所詮無理だったと言うことだ(ライフゼムやエアーラインマスク)
報告書では現場で確実に作業できる人が少なくなってきているとの記述もある(50/58頁報告書参照)
定修期間の長期化で,現場で作業する経験も減ってきている。長期連続運転の弊害であるのかなと感じた事故だ
知識だけの教育では不十分だ。技能教育にも力を入れる必要があるのだろう。フランジ割りを甘く見ないで欲しい