事故文献、書籍等紹介
2月19日(金)危険物保安技術協会主催の事故事例セミナーに参加してきました。各地で起こっている化学企業などの事故がテーマです。事故を消防関係の人が、消防目線で解説してくれるという興味のある講演会です。企業が発表する事故報告書には、書かれていない事柄も話として出てくるのでとても参考になります。
企業が作成する報告書は、多くの人に見てもらうという目的から一般の方がわかりやすい文章で書かれています。この結果、一般向けな文章表現になってしまのです。そうすると、文章が平易になりすぎてしまいます。特に事故の背景や、潜在的な原因などの部分はさらっと書かれているのが実情です。企業の安全担当者が、知りたい部分は事故の事実では無く、事故からの教訓です。なぜ事故が起こったの、背景は何かという部分です。一番肝心な部分は、事故を起こした企業の事故報告書からはなかなか読み取れないのです。
今回の東京講習会には200人以上の人達が参加していました。大阪でも行われる予定ですから、同様に多くの人が参加すると思います。
事故から学ぶものは事故の事実ではありません。同じ事故が二度と起こることはありません。事実だけを学んでも、あまり役には立ちません。事故から学ぶものは、自分の企業にとっても役立つ教訓です。教訓を学び取るには、このような講習会は有効です。話してくれる情報量は、文字で書かれた情報より内容も多く情報密度が高いからです。