反応暴走
反応操作で怖いのは、反応暴走だ。化学反応制御できなくなるからだ。
反応工程を持っていたら、きちんと「なぜ」反応暴走が起こるのかを教えて欲しい。
事故を防ぐには、事故事例を教えれば良いと思っている人が多い。しかし、事例をやみくもに教えても事故防止の知識としては身に付かない。
まず、最初に重要なキーワードをいくつか教えることだ。次に、重要なキーワードの意味することをわかりやすく例をあげながら説明していくことだ。
詰まり、順序立てて説明してあげると頭の中に入りやすくなる。では、反応暴走が起こるメカニズムを例に取りながら、説明してみる。
基本となるキーワードは何かと言えば、「温度」と「濃度」の2つだ。つまり、反応速度は、この2つの関数で示すことができるからだ。
一般的に、温度が上がれば、反応速度は増していく。同じように、濃度が上がれば反応速度は増す。
温度と濃度の管理ができなければ、反応暴走が起きることになる。
つぎは、温度というキーワードを使って、具体的に温度を管理できなかった事例を説明していく。ここからは、事故事例を使って例示をしていくと良い。
代表的なのは、反応器の冷却能力が足らなかっただ。冷やせないというのが、致命的な事故につながる。次に、なぜそうなったかの事例を話すと良い。
反応器を転用したとき、冷却能力をしっかり検証しなかったとか。生産能力を上げるとき、スケールアップをした時に、容器を大型化すれば冷却しにくくなると思わなかったなどだ。これは、人に関わるミスだが、設備に関する例もあげると良い。温度計の保護管の長さが適切でなかったことで、正確に温度を測っていなかったかとか、計器の点検をしっかりしていなかったためにやはり温度が正しく制御できなかったなどだ。
事故に関する教育をするときは、体系的に説明することだ。
ちょっと古い文献だが、安全工学という冊子に「異常反応をもたらす諸要因」という文章があるので紹介しておく。以下のURLを見て欲しい
https://www.jstage.jst.go.jp/article/safety/18/1/18_42/_pdf/-char/ja
物質危険性を勉強したいなら、安全工学会の安全工学セミナーを聞いてみると良い。年一回しかチャンスは無いが、今年は、第40回安全工学セミナが。 9月中旬
第40回 安全工学セミナー(物質危険性講座) 化学会館(予定)
そのほか、10月中旬 第40回 安全工学セミナー(危険現象講座) 化学会館(予定)
11月中旬 第40回 安全工学セミナー(プラント安全講座) 化学会館(予定)
【2019年】
1月中旬 第40回
安全工学セミナー(安全マネジメント講座) 化学会館(予定)
もうすぐ、正式な日程と内容が公開されるはずだ興味のある人は、安全工学会のホームページを見て欲しい
http://www.jsse.or.jp/Events/Annual_cl/
昨年の講座内容は以下のURLだ
http://www.jsse.or.jp/mujgndqes-24/#_24