粉塵爆発の事故報告書

今年2月の横浜で起きた粉塵爆発事故の事故報告書が公開されていた。
現場の作業員が死亡するという事故だ。出光の関連会社で農薬の中間体の製造会社だ。
事故が起こると、企業はすぐに関係官庁と対応をとり再発防止を図っていきたいと公報はするものの
事故の原因をその後に公開する企業は少ない。
私も、この事故も、原因はあやふやにされるのかと危惧していた。
ところが、最近ネットを見ていたらこの事故はきちんと事故調査報告書が公開されていた。
http://www.idemitsu.co.jp/topics/2018/180619_2.html
さすが出光さんと言いたい。
事故の原因を公開することは、社会的意義は大きい。
今回の事故報告書に書かれているように、この企業は40年間事故は起こしていなかったという。
粉塵爆発は起こらないと考えていたのかもしれない。
報告書によると、粉塵の粒径が比較的大きいから大丈夫と考えていたような記述がある。
しかし、わずかながらではあるが、粉に含んでいた粒径の小さな粉塵が投入時粉塵雲を作っていたようである。
窒素を入れておけば防げたとの記述もある。変更管理の失敗でもあるとの記述もある。
今まで大丈夫だったから将来事故は起きないという考え方は安全に関しては通用しない。
粉を取り扱えば、粉塵爆発のリスクはある。
日本中、可燃性の粉を取り扱う企業は沢山ある。
粉塵爆が起こるのは、今までと何か変わる作業方法をするか
そのような作業をたまたましてしまったかだ。
作業時間が今まで以上にかかり、マンホールから今まで以上に空気が入り込んで
爆発混合気ができやすくなっていたケースが事故となるケースが多い。
作業マニュアルには、作業時間の制限についてもきちんと記載して欲しい。
例えば、マンホールを10分以上開けたら一度窒素パージを行うことなどを記載して欲しい。
今回の調査報告書も活用して粉塵爆発事故の防止を図って欲しい。

2018年11月18日