粉塵爆発の着火エネルギーは大きいから大丈夫と思わないで欲しい
最近粉塵爆発の報道を目にすることが多い。
危険な化学物質を取り扱う場合、ガスか液で取り扱うことが多いからガスや液の爆発は報道件数も多い
粉を取り扱うケースは少ないのだから、当然粉塵爆発などの報道件数は少ない。
しかし、少ないからといって粉塵爆発を甘く見てはいけない。
ひとたび事故が起こると、大きな事故にもなる.被災者の数も二桁になることもある。
先日、あるところでなぜ事故が起こるのかの講義をした後こんな質問があった。
粉塵爆発の方が、着火エネルギーは少ないのですよねと言う質問だ。
裏を返すと、爆発しにくいのではないかと考えていることだ。
たしかに、粉塵爆発とガス爆発の着火エネルギを比較すると、粉塵のが着火に要するエネルギは大きい。
数値の上では、粉塵に火をつけるのには約10倍のエネルギーを必要とする。
だからといって、爆発が起きないわけではない。
単純に、数値上で火が付きにくいと思い込まないで欲しい。
条件が変われば、着火させるエネルギーの数値は変わってくる。
粉の大きさが小さくなればなるほど着火エネルギーは小さくなるから簡単に着火する。
粉塵の濃度も変われば、着火に必要なエネルギーの数値も変わってくる。
粉塵爆発がおこればその被害は、ガス爆発より甚大となることがある。
粉を取り扱う場合は作業をしている人と粉との距離が近いことが多く、ひとたび爆発すれば大きな人災となるからだ。
粉塵爆発はあまり報道されることがないので、事故は起こらないという誤解があるがそれは間違いだ。
粉塵爆発はちょっとしたエネルギーでも着火爆発する事故だと思って欲しい。
燃焼の三要素が成り立てば、燃えるか爆発する。
燃える粉が存在して、マンホールなどから空気が入り、わずかなエネルギーが存在すればいいのだ。
粉を取り扱っている人は、粉塵爆発に関する私の過去のブログの日付を書いておくのでそちらも一度目を通して欲しい。
2019/2/21,2018/12/2,2018/11/18,2018/10/27,2017/12/2,2017/8/11日だ。