設備の老朽化と事故
日本で経済が急激に発展し始めたのは、1960年代だ。
この頃、日本では大型インフラ産業である製鉄所や製油所が造られた。
これらの、インフラ設備も手直ししながら使ってきたが、建設後約40年目に当たる2000年代から大きな事故が起き始めた。
2003年8月にエクソンモービル名古屋油槽所で火災が起きている。
http://www.bo-sai.co.jp/tankkasai.htm
老朽化したタンクの開放準備中の火災だ。6名の死亡事故だ。省人化が進む中での事故だ。
その翌月には、名古屋である製鉄所でガスタンクの事故が起きている。
1960年代に造られたタンクの老朽化が原因だ。
技術革新の激しい、業態であれば設備は10年も使えばお払い箱になる。つまり、老朽化という問題は起こらない。
設備は、次から次へと新しくなるからだ。
ところが、石油や鉄鋼などは技術的には確立された産業であるから設備は長く使える。
設備は、しっかりと維持管理すれば長く使うこともできる。
しかし、日本では1989年にバブルが崩壊し企業にお金が無くなってしまう状況が発生した。
この結果、老朽化が進むものの、補修費削減る一方で設備にお金はかけられなかった。
コストダウンにむけて、省力化、合理化、人員削減などが急速に進んでいった。
つまり、老朽化に歯止めがかからなくなったのだ。
結果として、設備の管理もおろそかになり大きな事故が起きた。
2003年に厚生労働省から出された通達がある。
http://www.joshrc.org/~open/files/20031225-001.pdf
当時の重大事故の背景がわかる。