事故や災害に思う

事故や災害の報告書を見ると、爆発だ、火災だ、破裂だ、漏洩だとかいう見出しがあり、事故の概要が紹介されている。原因も物質危険性や機械的なことが主体だ。ヒューマンエラーなど、一番肝心な部分はほとんど記載されていないのが現実だ。事故の原因のうち半分程度が人にかかわるもののはずなのに、人にかかわる部分は記載が無いというのが実態だ。

人が状況認識をうまくできなかったのか、状況は把握できてはいたが判断を間違えたのか。それとも、判断は正しかったのに、行動にミスや遅れがあったのかが知りたいところなのに何も書かれていない。

これが明確になっていなければ、人に関する再発防止の妥当性がわからない。

あえて書いていないのか、それともそこまで解析ができていないのかはわからないが、たぶん解析ができていないから事故は繰り返されているのだと思っている。

また機械的な原因の記述に関しても、どちらかというと主要装置の故障は書いてある物のの事故のきっかけになったであろう計装設備などの故障について触れている事故報告書は少ない。

化学プラントには、流量計、液面計、温度計、圧力計など様々な計装設備があり、運転員の判断を支援する設備がある。これらの装置の故障が引き金で大きな事故になることもある。

計装設備がきっかけになった事故や労働災害なども沢山あるのだろう。

化学プラントのリスクアセスを進めていくためには、タワー、炉など主要な機械設備という切り口だけでは無く、計装設備や電気設備などと言う切り口でも事故の危険源になる物は何かということを考えていく必要があるのだろうと思う

まずは、計装という切り口で「事故のきっかけとなった計装設備」というテーマで情報を整理して、投稿記事を書いていこうと思う。

 

2016年06月03日