仕切り板による縁切り

工事の安全管理の中で、「縁切り」という重要な作業がある。
工事をするためには、安全な状態にする作業だ。
今まで危険な物質が流れていたなら、それを除去して、更に水などで洗浄するか、気体ならば窒素でパージしてして安全な状態にする必要がある。
それだけで安全かというとそうではない。万が一、洗浄が終わっても漏れ混んで来る可能性が有り漏れ混む箇所を遮断する必要がある。
これを、「縁切り」という名前で呼んでいる。すなわち、危険なものを遮断する作業だ。
配管のフランジ部などに、仕切り板(ブランク版と呼ぶこともある)といわれる金属製の板を挿入して遮断するのが一般的だ。
この仕切り板は、単に配管サイズだけで考えてはいけない。圧力に応じて強度のある板厚にしておく必要がある。
今から40年前などでは、この板厚が配慮されず、薄っぺらなブリキ板を使い耐圧性能がなく事故になったことがある。
仕切り板は、圧力と口径を配慮しておくことが大切だ。
定修時などは、一つ仕切り板を配管に入れ忘れても事故になる。
昔は、仕切り板の管理をしていなくて事故が多かった。
当時の事故の教訓は仕切り板の全てに管理番号を付けたことだ。当然、仕切り板一つ一つに管理番号を付け一覧表にして管理した。
誰が、いつ、どこに挿入したかを管理表にして管理したのだ。一覧表に、一箇所でも空欄があればすぐに気がつく。
一つでも、取り付けミスがないように管理することでミスは確実に減った。
少し手間はかかるがこの結果、縁切りミスは皆無になった。
仕切り板に、番号を記入した管理札を付けて欲しい。
人の記憶だけに頼るアバウトな管理では、必ず抜けが起こる。
仕切り板は、一つずつ番号を付けて管理をしてほしい。
今時は、社員だけでは管理しきれないかと思う。
協力会社の力をうまく使って管理することも考えて欲しい。
事故を防ぐには「管理」(=マネージメント)が大切だ。

2019年04月23日