設計管理とは

設計管理とは何なのだろうか。設計を管理するでは答えにはならない。
化学プラントなどの設備を設計する時には、エンジニアーは当然安全を考える。
危険なものを扱う設備だからだ。
しかし、安全だけを考えていればいいわけではない。
当然、お金のことも考える。いわゆるコストだ。
安全とコストを総合的に考えて、設計を進める。
当然安全を最優先にするが、コストとのバランスをとることは避けられない。
しかし、このバランスを取るのは容易ではない。
かなり、過去の失敗事例を知っていないと思わぬ落とし穴にはまる。
設計基準がまだ確立されていない時代は、エンジニアーは自ら考え安全とコストのバランスを取ることに力を入れた。
しかし、昨今のように各企業では設計基準書も整備されて余り考えずに設計できるようになると人は考えなくなる。
そこに、事故の芽があるような気がする。
もう一つは、コミュニケーションが減ったことだろう。
昔は、周りに人がいた。経験豊かな人に聞く環境があった。
しかし、省人化が進み設計部署も人数は大幅に減った。
人から情報を得られなくなったことも、事故の要因なんだろう。
最後の設計管理のキーワードは、設計品質だ。
私の考える品質とは、「人に優しい設計」になっているかだ。
化学プラントという巨大な機械も、人が扱うものだ。
人にとって扱いやすいものになっているかは非常に重要だ。
設計管理の中で「人に優しい」というキーワードを忘れないで欲しい。

2019年04月26日