運転管理とは

ブログで、設計管理、安全性評価とは何かを書いてきた。
安全性評価が終われば、次は設備が出来上がり本格的に運転が始まる。
では、何を管理すればいいのだろう。
管理というのは、決められたことを当たり前のように守らせるという意味もある。
たしかに、社員に好きかってに企業活動をさせていては問題も起こる。
人が2人以上存在すれば、人を束ねる組織というものが必要だ。
組織体制を整え、責任や権限も明確にしておく必要がある。
次に何をするかも明確にしておくことが管理上大切だ。人は、同じことを考え、同じ行動をするわけではない。
知識や経験により考え方も行動も異なると考えておくことが必要となる。
企業としての考え方、運転操作などの行動や判断基準も文書化して明確にしておく必要がある。
工場であれば、「ものづくり」をするための基本的な考え方を示した文書類が必要となる。
設計なら設計基準書と呼ばれるようなものだ。運転であれば、運転基準書だ。
いわゆる生産活動に必要なドキメントをきちんとそろえることが運転管理の基本だ。
作業を行う基準となる運転手順書や作業手順書などが必要だ。運転マニュアルなどとも呼ばれているものだ。
しかし、運転マニュアルなどは必ずしも完璧に作られているとは限らない。
人が、疑念を持つような記述もある。文字で書く限り、完璧な作業手順書は存在しない。
つまり人が、ある程度自分の裁量で判断を下す部分が存在してしまう。そこに、事故の芽が生まれる。
過去の多くの事故事例を見て見ると、人の判断に許容度を多くゆだねてしまうと、判断ミスで事故が起こる。
しかし、完璧な運転マニュアルは出来ないから繰り返し事故が起こるという現実がある。
ソフト面での管理に加え、運転用の資機材などハード面の管理も重要だ。
運転管理とは、運転手順、運転に携わる人の技量やハード的な設備を組織的に管理することだ。
人と設備をしっかりと管理することが求められている。

2019年05月05日