安全弁などの元弁の開け忘れや、仕切り板の抜き忘れの事故
安全弁などに元弁がついていることで起こる事故がある。 安全弁の元弁を開け忘れていて、破裂事故などがおこることがある。
このようなヒューマンエラーによる事故を防ぐ為、安全弁の入口側の配管には元弁を付けない会社は多いはずだ。
元弁を開け忘れていてそのまま装置を運転していて事故になるケースが繰り返し起きていいるという現実がある。
こんな事故事例がある。
http://www.shippai.org/fkd/hf/HB0011017.pdf
コールドエバポレーターといわれる、液化窒素などのタンクで安全弁の元弁を開け忘れて起こる事故事例は多い。
タンクに液化窒素を入れたままの状態で、安全弁を点検する為には元弁が必要だからだ。
安全弁を点検の為取り外すのに、元弁を閉めて縁切りする必要があるからだ。
安全弁を取り外している際に、万一圧力が上がれば当然タンクは破裂してしまうことになる。
それを防ぐ為、破裂板をも併設している。
破裂板の入り口の配管にも、元弁を付けているケースが多い。
万一破裂板が誤作動した際に、元弁を閉めて液化窒素の無駄な放出を防ぐ為だ。
破裂板を取り替えた後、元弁を開け忘れてタンクが破裂する事故も多い。
元弁があれば必ず開けるのを忘れたというようなヒューマンエラーが起こる可能性がある。
では、安全弁に元弁がついていないから、自分の会社は大丈夫だと思っていいのだろうか。
元弁がなくても、こんな事故事例がある。仕切り板の抜き忘れによる事故だ。
定修中に、コンプレッサー出口配管にある安全弁を通じて逆流が起こらないように安全弁の出口側に仕切り板を入れていた。
この安全弁は、排ガス燃焼共通配管につながっていているため万一を考え仕切り板を安全弁出口に入れて逆流を防止していたのだ。
定修が終わり、コンプレッサーの試運転を始めたが、運転操作に失敗した。つまり、運転員が吐出弁を開けるのを忘れていた。
一気にコンプレッサの吐出圧が上がった。
当然安全弁は正常に作動したものの、安全弁出口側に取り付けていた仕切り板を取り外すのを忘れていた為コンプレッサーが破壊した事故がある。
コンプレッサの安全弁出口に仕切り板を入れていたことにより起きた事故だ。
スタートアップ時は、安全弁の周りを見て欲しい。
元弁があれば開いているのか。万が一仕切り板が取り外されずに残っていないかきちんと点検して欲しい。