フィルムデトネーション現象
フィルムデトネーション現象という言葉を知っているだろうか。
爆発より威力の高いものを爆轟(ばくごう)と呼んでいる。爆轟とは、英語でデトネーションと読んでいる。
フイルム状に爆轟が起こることをこの、フィルムデトネーションと呼ばれる。
配管の中にたまったフィルムのような薄い油状のものに火がつき激しい爆発が起こることを一般的にいっている。
いわゆる、高圧圧縮機などの潤滑油が、吐出側の配管に付着している状態で配管内で爆轟を起こす現象だ。
日本では昭和58年に起こった事故が、失敗百選で公開されている。
http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0000196.html
学会誌安全工学にもこんな文献が公表されている。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/safety/24/3/24_165/_pdf/
高圧の空気圧縮機を持っている企業の方々は一度読んでほしい。
空気は高圧になると、強力な酸化剤になる。圧縮機に使われる、潤滑油は可燃物だ.使っているうちに、油は劣化する。
劣化すれば当然発火点は下がるから、火がつきやすくなり着火すればフィルムデトネーションと呼ばれる爆発的な現象が起こることがある。
実験室や研究室でも、空気圧縮機は使われているはずだ。
ベビコンを含めた空気圧縮機には、給油式タイプと無給油式タイプの2種類ある。
そのうち、給油式タイプのものを使用している場合には、取扱説明書には定期的な清掃、点検が必要だと書いてある。
なぜなら、長時間使用しているうちに潤滑油の劣化物が配管の内側に膜状にこびりつき、そこに静電気とか断熱圧縮あるいは自然発火など何らかの着火源が発生した時に、爆発する恐れがあるからだ。
潤滑油のフィルムデトネーションを意図してのことだが、そこまで読み取れる人は少ない。
フィルムデトネーションと呼ばれる現象がおこれば、機械の損傷はもちろんのこと、配管が噴破するなどして人身事故につながることもある。
フィルムデトネーションという現象も知っておいて欲しい。
最後にある潤滑油メーカーのホームページに空気圧縮機の発火事故という情報もあるのでこれも是非見て欲しい。
https://www.juntsu.co.jp/qa/qa0706.php