2010年代の重大事故の考察

時代時代によって事故の要因や社会的背景は変わる。
企業を取り巻く環境、労働者である社員や協力会社を取り巻く環境は常に変わる。
十年一昔と言うが、まさに10年ぐらいで事故の引き金となる環境は変わって来ている。
半世紀前の高度経済成長期であった日本企業では事故は多発した。技術的に未知なことが多かったからだ。
その後、設備はどんどん巨大化して、人が大型化した設備について行けないことで事故は多発した。
単純な、人のミスも、事故に直結した。ヒューマンエラー対策がまだまだとられていないという時代環境があった。
その後、人はヒューマンエラ-を真剣に考え、人によるミスの削減に努力した。
その後、事故が起こってから対策を講じるのではなく、事故が起こる前に対策を講じるという概念が芽生えてきた。
リスクマネージメントとという概念だ。
リスクというものを考えるようになって、事故を未然に防ぐことが少しずつできるようになってきた。
時代時代を考察する文献は多いが、最近こんな文献を見つけた。
岐路にきた日本の安全管理という文献だ。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/josh/11/1/11_JOSH-2018-001-KA/_pdf/-char/ja
2010年代の重大事故の考察だ。
コメントの中に、「変化」というキーワードがある。
現場の人は減り、一人当たりの負荷は増大している。更に、昔のようにトラブルを経験できるチャンスも少ない。
失敗を経験できないと環境がある。
更に、管理者が、トラブルを経験せず短期間に管理者になり現場を管理しなければいけないという現実がある。
経験から学ぶというシステムが崩壊しているのに、それを補う環境も整備されてはいない。
金と人事権を持つ経営幹部がそこをどう対処しているかだ。
安全はコストだ。コストをけちれば.事故は起こるのは、自然の摂理だ。
だからといって無限に投資ができるわけでは無い。
お金では換算できないものもある。
モチベーションや日本流にいう企業への思いだ。
バランス感覚を持った経営者が増えて欲しいと思う今日この頃だ。

2019年06月12日