リスクマネージメントの難しさ
昨今リスクマネージメントの大切さが言われる。
昔は、リスクという概念が無かった。
事故が起きてから、原因と対策を考えるというのが数十年前では一般的だったからだ。
いわゆる,事故が起きてから対応するという「事後対応」である。
事故は起きない方がいい。ならば、事故が起きる前に対策を打とうというのがリスクマネージメントという概念である。
いい考え方ではあるが、そう簡単に事故の未然防止を図ることができるわけではない。
事故は、失敗に学ぶと言われる。
失敗の中から何かを学びとると言うことだ。
リスクマネージメントを行うには、過去の事故事例を徹底的に検証しておくことが不可欠である。
なぜなら、そう簡単に潜んでいる潜在危険源を考えつくのはたやすいことではないからだ。
ハインリッヒの法則がある。300件のたいしたことの無い事故。
29件の軽い事故。更にその中から、1件の重大事故が起こるという論理である。
ということは、300件くらいの事故や災害事例を知っていて始めて、重大な事故を見抜けると言うことになる。
あなたは、300件ぐらいの化学災害事例をすらすらと言えます。
労働災害もしかりである。300件ぐらいの労働災害をパターン別に分けて、紹介することができますか。
そのようなことができないなら、リスクマネージメントができていると言えないかもしれません。
安全を担当する人なら、安全率という概念を入れてその3倍である900件くらいの化学災害や労働災害をすらすらと言えないと
やはり会社としてリスクマネージメントができる体制になっているとは言いがたいのではないでしょうか。
そんなことを思う今日この頃です。