HAZOPで濃縮というリスクを見落とすな

物質危険性のリスクの一つに「濃縮」というリスクがある
濃度が上がると危険というリスクだ
HAZOPでは、この「濃縮」というリスクは案外見落とされている
反応工程は、危険だと考える人は多いが、濃縮工程は、危険とは誰も考えてくれないからだ
化学工場では、純度を上げて化学物質を商品化する工程は沢山ある
蒸留操作などはその典型だ
蒸留塔のトップからはかなりの高純度の製品を取り出すこともできる
しかし、これが災いとなることもある
蒸留塔で、全還流すれば当然高純度となる
しかし、その物質の中にわずかでも爆発性の物質であれば当然、爆発性の物質も結果として濃度が上がれば危険な状態となる
爆発事故も引き起こすこともあるのだ
蒸留塔の濃縮事故事例で代表的なのがこの事故事例だ
http://www.sozogaku.com/fkd/hf/HC0200063.pdf
ドラムなどの容器の中で濃縮するケースもある
容器の中で濃縮操作をしているときに、配管が詰まり予想外に濃度が上がり爆発した事故がある
数十名の死者を出した事故だ
配管内で物質が結晶化し詰まり、起きた事故だ
結晶化とは、濃縮が起こることだとHAZOPをやって何人の人が考えてくれるだろうか
この事故を書いた文献があるので紹介しておく
https://www.jstage.jst.go.jp/article/yukigoseikyokaishi1943/37/6/37_6_494/_pdf/-char/en
結晶化が濃縮につながるということもリスクとして知っておいて欲しい

2019年08月19日