逆流というリスクと事故事例 その-3 ポンプ事故

ポンプの緊急停止中の逆流事故を紹介する
http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0200115.html
http://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00035_s.pdf
http://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00035.pdf
http://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00035_a.pdf 
製油所でトラブルがあり、緊急停止に入った 
原料供給ポンプを停める操作を始めたが、ポンプ吐出側の流量調節弁は手動のため現場に行かないと閉止できなかった
一方、ポンプは、遠隔操作で停止出来るため停止操作を先に行ってしまった
本来なら、ポンプ吐出側の手動式流量調節弁を閉めてからポンプを停めるべきなのに
ポンプを先に停めてしまったのが事故の最初の引き金だ
ポンプには逆止弁は付いていたが、定期的に点検していなかったので
詰まっていて作動しなかった
高温の液が、ポンプ内に逆流を始めたのでメカニカルシールに熱ひずみが加わり破損した
破損部から高温の油が漏れ始め着火した
ポンプの上部には、空冷式の油を冷やす空冷式の熱交換器が設置されていた
火災により炎であぶられチューブが破れ油が漏れだし火災は更に拡大したという事故だ
色々な問題点が有り、教訓となる事例だ
設計面では、ポンプだけ遠隔停止出来ても、出側の弁を遠隔操作でできるようにしていなかったという問題点がある
機器配置面では、漏洩の恐れのあるポンプの真上に油を流すエアーフィンクーラーという空冷式熱交換器を設置したことだ
保全面では、逆止弁を定期的に分解点検していなかったことだ
運転面では、停止マニュアル作成時の検討が不十分と言わざるを得ない
事故方向からは読み取れないが、マニュアルはしっかりしていたが、教育訓練が悪かったのかもしれない
緊急停止作業の自動化を進めている企業は多いと思う
ポンプ廻りの、自動停止化に当たっては十分検討して欲しい
中途半端な自動化は事故を招くという事例だ

2019年10月03日