物性データーをきちんと理解しているか

物性データーに関して、セーフテイデーターシートという情報がある
SDSとも表現される
このデーターをどう捉えているかだ
化学物質の情報は、条件によって大きく変わる
温度、圧力、濃度が変われば、化学物質の性質は変わってくる
純度によっても変わる
SDSに記載されるのは、標準的な状態の時だ
常温、常圧、濃度もほぼ100%の純物質の状態での情報がSDSに記載される
ところが、化学物質は必ずしも純物質で取り扱われるわけではない
たいていは、色々なものと組み合わされた混合物で使われる
混合物となると、必ずしもSDSに書かれた情報とは同じではない
ここにこんな実験中の事故事例がある
http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0000096.html
事前の安全性の検討では、使用する試薬についての熱的な危険性は確認していた
100度までは安全と書かれていたようだ
しかし、実験は他の試薬と混ぜた混合物だった
当然、混合物であれば、100度で安全という保証は無いのに100度で実験を始めたところ爆発したという事故だ
混合した場合の熱的不安定性について確認していなかったことも要因だ
また、実験時に万一の場合に備えた十分な防護処置がなされていなかったために負傷事故となった事例だ。
物性データーというものは、温度や圧力、濃度など少しでも条件が変われば変わってくる
SDSを見れば全てがわかると思わないで欲しい
化学物質は、条件が少しでも変われば性質が変わってくると常に思って欲しい

2019年10月27日