ポンプ循環ラインでのブタジエン液封事故
前回のブログでアメリカの化学工場爆発事故を紹介した。ここで取り扱っていた物質はブタジエンという。
2017年に日本で起きた事故で、ブタジエンの液封事故がある
ブタジエンのポンプを止めたときの液封対策で循環ラインに安全弁のような液逃がし弁という物を設置していた
下記のURLに事故報告とフローシートがあるので詳細はそれを見て欲しい
https://www.khk.or.jp/Portals/0/khk/hpg/accident/konbi_soku/2017-147.pdf
事故の原因は、肝心の液封対策で設置したはずの液逃がし弁内部でブタジエンが固まって正常に作動しなかったという事故だ
ブタジエンという物質は、重合物をつくる性質がある
本来なら液体の状態だが、流れが止まったり、長時間放置するとプラスチックのような固まりになると言うことだ
この固まりが、液逃がし弁内でできたため正常に作動しなかった事故だ
この事故の教訓として、液などが固まるようなポリマー化しやすい物質の液封を含めて圧力上昇対策としては
安易に機械的な安全弁の設置で済ますなと言うことだろう
液の動きがなければ、自然に固まる物質もある
安全弁は、液を通常とめてしまう物だから固まるのは当然だ
この事故報告にあるように安全以外の設備で圧を逃がしてやる必要がある
HAZOPをやるときには、重合性物質かも考えて欲しい
安全弁では、弁内部に重合性物質の固まりを作り、いざと言うときには作動しないのではないかと考えて欲しい
逆止弁も、同様に重合物の詰まりも考えて欲しい