硫酸タンクと事故 その-1
硫酸タンクで爆発事故が起こることを知っているだろうか
硫酸は,薬傷などの危険性については皆よく知っている
しかし,硫酸そのものは可燃物では無いので火気工事などでも危険だと思わないところに事故の芽がある
硫酸は可燃性では無いから安全だと思わないで欲しい
硫酸は酸性物質だ。酸性物質は,鉄などの金属と反応して水素という物質を発生する。
つまり、安易に火気工事をすれば発生した水素に火が着き爆発が起こることがある
硫酸などの酸性物質は常に金属と触れると水素が発生すると考えて欲しい。
硫酸の分子式の中に、H2という水素分子がある。薄められた硫酸水の水にもH2というのがある。
このHが分離して水素が発生すると思って欲しい
硫酸と鉄が反応すると次のように水素が発生する
H2SO4+Fe→FeSO4+H2
硫酸と言っても,濃硫酸のような濃度の高いものもある。水で希釈した,硫酸もある。
濃度の高い濃硫酸では水素は発生することはない。
水素を発生するのは、水などで希釈された濃度の低い硫酸だ
濃度の違いで,事故の確率は違う。
いつもは,濃硫酸を入れていたはずのタンクの硫酸濃度が下がったことに気づかず水素が発生し火気工事で爆発した事故がある
https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/pdf/saigai_houkoku_2015_07.pdf
水素は,とんでもない爆発力がある
酸は金属と触れると水素が発生すると思って欲しい
水素は臭いもしないから,嗅覚で感じることはできない
ガス検知もせず安易に火気工事をすれば,水素で爆発が起こる
水素の持つエネルギーを甘く見ないで欲しい。
硫酸を扱っていれば,水素が発生すると思って欲しい。