事故や災害につながるキーワード その-4 人事異動
人事異動というのも、事故につながる要因だ。技術は人に有りと言われるからだ。
企業が持つ技術やノウハウはその職場にいる人が持っているものだ。
確かに、文書で書かれた物はあるが全てのことが文字で書かれているわけでは無い
カンやコツなどという暗黙知は、人に依存する物だ
化学工場などでは、昔は建設以来たたき上げの人が、係長という重要なポジションを占めていた
製造プラントの設計思想から、弱点、トラブル事例など何から何まで知っている人が係長だった
製造課長は、大学出の人で、課長とか係長がうまくバランスを取って組織運営が行われていた
製造課長は、数年で変わっても係長は長い間変わることがなかった
ところが、昨今はたたき上げの係長がめっきり減って、係長も課長も定期的に人事異動で人が変わる職場が増えた
人材不足もあるのだろうが、大学出はなぜか一定期間経つとローテーションをさせられるらしい
会社は、多能化、多くのキャリアーを積ませる目的だというが人をころころ移動させては技術は伝承しない
更に、最近は、代理という職位が極端に減った。
昔は、係長代理がいて、その人を一定期間経ってから昇格させ係長にしていた 経験を積ませるためだ
技術やノウハウが時間をかけて移行するシステムができていた
きちんと、組織が円滑に動く仕組みができていたような気がする
課長代理というのも職場に多くいた。課長代理というのは、たたき上げの係長が昇格して、課長を補佐するポジションだった
他の工場から、転勤してきた経験の浅い課長も安心して職場を運営できた
最近はどうだろう 機械的に、人事異動が行われているような気がする
2010年代に化学プラントで立て続けに、大きな事故が起きているがその中にも
短期間で製造課長や係長を替えていたという文章を目にしたことがある
化学プラントなどの人の移動は、慎重に行って欲しい