最近海外で起こったエチレンオキサイドプラント事故

久々に、エチレンオキサイドの事故が起きたとの情報を入手した。スペインで起きた爆発事故だ 
エチレンオキサイドプラントは,酸化反応プラントだ。石油から出来る,可燃性のエチレンという物質を,空気で酸化してつくる
この為,酸化エチレンプラントとも呼ばれる。
エチレンオキサイドは、非常に反応性に富んだ物質で、爆発すれば相当な被害を出す化学プラントだ
日本でも,各コンビナート地区に一つか二つくらい工場がある 
日本では,大爆発がおきたことは無いが,海外では過去何度か大爆発が起きている
今回のスペインの事故は,ここを見て欲しい 死傷者は10名だ
http://tank-accident.blogspot.com/2020/02/10.html
よくこの程度の被害で済んだとも思われる事故だ 
工場内で死者は3人のようだ。
工場から約2,500m離れたアパートに重さ約800㎏の物体が落下し、1人が死亡したとのことだ。残念なことに、一般人が犠牲になっている
軽自動車クラスの金属片が、2.5Km離れたところまで飛んでいったというのだ
飛散物体はプラントの反応塔などの上部の一部とみられ、金属片の大きさは約122×165×3cmだった
このエチレンオキサイドという物質は分解性だから,爆発したとき大量のガスを出す
つまり、大量に発生したガスでこの重い金属を吹き飛ばしたのだろう
酸化反応では,爆発下限界以下で微妙に制御するのがポイントだ
爆発下限界を越えれば,爆発することがあるからだ
酸素計の信頼性が大切だ。一つ故障しても大丈夫なように,少なくとも3台の酸素分析計を設置しているはずだ
異常があれば,安全に停止するインターロックも設置されているはずだ

原因はまだ不明とのことだが、早期に解明されることを望みたい

2020年03月02日