事故が起こったときの経営者の責任

事故が起こったとき経営者の責任が問われる 道義的な問題と、経営的な問題、それに刑事的な問題だ
事故が起これば、最終責任は経営者に来る
とはいえ、企業規模が関係してくる 何万人もいる企業と数十人の中小企業と同列に評価するには無理がある
刑事裁判でもそこは、判断が難しいところだ つまり、多層化された大きな企業の責任分担、業務指示が論点になる
つまり、権限委譲がどう明確に行われていたかだ 決済、判断が刑事裁判上の重大な要素となる
わかりやすく言えば、工場長は安全上の基本方針を出していた、部長はそれをそしゃくしてもう少し具体的な行動指針を出した
課長は、更に自分の組織に合わせ具体的な安全の考え方を提示した。係長は更に実務に応じ具体的指示を出していたかが論点となる
事故が起きると、刑事裁判では責任と権限がものすごく重要になる
これを企業が曖昧にしておくと裁判で問題になる。課長も、係長も同様だ。
権限の委譲は難しい。
論点は何かというと、権限は委譲していたが、委譲された権限に正しく上司が部下をフォローしていたかも裁判の論点になる
つまり、PDCAを廻していたかだ 権限委譲とは、まるなげすればいいというものでは無い
縦割りの社会構造の中では、部下に任せなければ仕事は回らない
そうはいってもまるなげでは、管理責任を果たしていないと言うことだ
管理とは何かを考えて欲しい 命令を出すことが管理ではない まるなげすることも管理ではない
責任と権限のバランスがあって管理が成り立つのである
事故が起こったのは部下の責任ばかりでは無い
管理に問題もあったと考えて欲しい
だからといって管理を引き締めろといっているわけでは無い
管理される側の能力を最大限に引き出す管理こそが真の管理であると常に心がけて欲しい

2020年03月16日