事故は他人事なのか

事故が繰り返すのは,理由がある。
人は,自分の職場で起きた事故は真剣に考えるが,他職場や他社で起きた事故は他人事と考えてしまう習性があるからだ。
身近で起きた事故で無ければ、人は常に関係ないと思いたいのだ。
事故の内容によっては自分の職場で起こる可能性があるのに、人ごとと思いたいのだ。
他社の事故事例を学ばせるときに注意しなくてはいけないのは、事故は他社の事故事例と印象付けないような工夫が必要だ。事故の内容をあまりにも詳細に話してしまうと、このプロセスはうちの職場にはない,この物質も取り扱っていないと自分の職場とは関係ないと人は考える性質がある。
しかし,化学物質を扱っている限り物質の違いはあれ危険なことが起こるか可能性は同じだ。
品名にかかわらず,事故の可能性は存在する。
つまり,事故の教訓を学ぶときに,物質名はあまり言わないことだ。
物質名は言わず,危険物とか毒性物質というようにあらゆる職場にも共通する名称で表現するのが良い。
事故が起きたプロセスも、詳細は説明せず機器の種類などで説明することだ。
化学プロセスをあまり詳細に説明してしまうのも良くない
事故が起こったプロセスを詳細に説明しすぎると、このようなプロセスは自分の職場にはないと考えてしまうからだ。
タンクや,ドラムという機器レベル迄細分化し事故の話をする方がいい。
プロセスではなく,タンクで事故が起こったとかポンプで事故が起こったとかのように機器レベルで話をすることだ
タンクやポンプなら自分の職場でもあるはずだ。
そうすれば,他人の事故も身近に感じることができる

2020年06月29日