リスクマネージメントの難しさ

色々な企業でリスクマネージメントをやっている
仕事柄、色々な企業での活動実態を聞かせてもらっているがいつも感じているところがある
平均的なリスクマネージメントはやっているが,深掘りしたリスクマネージメントができているかというとそうは感じない
なぜかというと,関係者だけでやっているからだ
同じメンバーで価値観もあまり違わないメンバーでやれば,確かに平均点的な結果はでる
これでは,平均点のリスクマネージメントにすぎない。
それでも,リスクの8割くらいは拾い出せるだろうがそれでいいのかは考えどころだ
リスクマネージメントを始めたときは、それでいいが進化させるには深掘りが進まなければ無理だ
リスクマネージメントの進化には、価値観の違うメンバーが構成要員に入らなければ実現は難しい
例えば,化学物質の世界には,モノマーとポリマーという世界がある
モノマーは液体でネバネバすることもない取り扱いやすい物質だ
ところが,ポリマーは粘度も高く詰まりやすくやっかいな物質だ
職務経験の中で,ポリマーを多く取り扱ってきた技術者は詰まるのは当たり前と思う性質がある
ところが,モノマーを扱ってきた技術者は詰まるのはリスクだと考えるのが一般的だ
詰まれば,清掃作業が増えたり、詰まりで配管の圧力が上がったりで必ずリスクが増えるからだ
危険な化学物質を扱えば詰まり清掃時、薬液を被ることもある、詰まりが起これば,一般的にリスクが増えるのが常識だ
ところが,粘度が高いポリマーなどを常に扱う技術者は詰まるのが当たり前と考えるから。詰まりをリスクと考えない。
詰まりが当たり前と考えるエンジニアーに、詰まりのリスクを考えよと言ってもそれはリスクとして考えてくれないのだ
リスクマネージメントを上手にやるコツは、少しでもいいから価値観の違うメンバーを少し入れることだ
隠し味程度で価値観の違うメンバーを入れていくことだ それがリスクマネーメントの活性化につながるはずだ

2020年07月11日