保温をしてはいけない場所について技術伝承をしているか
化学プラントで、温度が高いとことは保温するというのは当たりまえの考え方だ
熱を逃がせば省エネの観点から損をするというのが今の一般的な考え方だからだ
省エネという考え方が一気に始まったのは,1970年代初めの頃だ
石油の値段が急速に上がり、エネルギーコストが急激に上がった時代だ
1年間で石油の値段が2倍にもなる異常事態が起きた時代だ
当然,熱を逃がさないように保温と言うことが徹底的に行われた
省エネの観点ではいいことではある
ところが、金属というのは保温で温度が上がり過ぎると金属の性能上持たない部分もある
つまり、あえて保温をせず温度を過剰に上げないという場所もあるということだ
放熱によりある温度以上上がらないように意図的に保温をしない箇所もある
それがきちんと組織内で技術伝承されていれば良いのだがときにはうまくいかないこともある
保温材のやり替えなどをしていて,本来保温をしてはいけない箇所に誤って保温することにより事故が起こることがある
こんな事故事例があるので紹介しておく
https://www.khk.or.jp/Portals/0/resources/activities/incident_investigation/hpg_incident/pdf/2008-625.pdf
この事故は氷山の一角だ 同じような事故は繰り返し起きている
ボイラーや加熱炉など高温の設備を扱う工場では,保温をしてはいけない場所もあると言うことをきちんと技術伝承して欲しい
省エネが全てでは無いということも伝えて欲しい
金属は熱に敏感なことも教えて欲しい 温度が上がりすぎると金属はもろくなるからだ