常に安全診断することの大切さ
企業の事故防止には安全診断というようなものが行われる
社内メンバ-がテーマを決めて行われることもある
社外の専門家が安全診断を行うこともある
どんなテーマを決めて診断するかも大切だ 今課題としていることに的を絞った方が有効なこともある
そうはいっても、目先の診断では長期的な安全の確保ができるとは限らない
昔勤めていた化学企業では、40年くらい前には取締役クラスの企業幹部が工場を周り特定のテーマを決めて工場監査を実施していた
私もその監査のたびに色々調べ資料を作っていた 資料を作りながら、考えることにより職場の問題点に気づいたものだ
今思い出すと、定期的な工場監査というものは、ものすごい事故防止には有効な手段だった
自分の製造設備の安全というのは、わかっているようであんがいわかっていないと気づいたのもその頃だった
原点に立ち戻り色々なことを調べて事故防止策を考えていた
その後企業も、その作業量の多さを鑑みたのか、安全監査をあるときに止めてしまった
今から23年前だ。それから15年ほどして大きな事故が起きた 死亡事故だ 若い運転員が亡くなった
過酸化物というかなり危ない物質を製造する装置だ
その事故の背景には工場の蒸気供給の信頼性の低下や、プロセスの変更管理の問題点もある
今となっては検証できないが、もし安全監査を企業が継続して続けていたら防げた事故だと感じている
それを見抜く実力のある幹部スタッフは十分に企業にはいたはずだ
安全にいかに経営が関与することが、求められている
安全は上位下達ではない 権限の安易な委譲でも無い
危機を共有することなのだろう 幹部も現場の管理者も自ら考える時間をつくってあげることだ
今となっては安全監査を止めたから事故が起きたのかはわからないが、安全監査やっていれば起きなかったかもしれないと私は思っている