繰り返すタンク負圧変形事故

タンクが負圧変形する事故について何度も述べてきた
タンクは呼吸できなければ、変形する
大量に液が入ってきたとき、タンク内のガスを放出できなければタンクは脹らむ

反対に、液を大量に抜き出すとタンク内は負圧になる。外部から空気を吸い込まなければ真空になり変形するからだ
いずれにしても、液の出入りによりタンク内の圧力は変化する
この為、タンクは呼吸できるような設備が設けられている

窒素シールで圧力コントロールをしているタンクもある 排気弁又は排気管が設置されている
タンクの中に貯蔵する液体がいつも同じ状態とは限らない
例えば色々な液がタンクに入り込んで来るとすると蒸気圧の差にも注意する必要がある

例えば蒸気圧の高い液体を入れていたとしよう
その後、温度も低く蒸気圧の低い別の液体を入れ始めると急激にタンク内の蒸気圧力は減少する
さらに新たに投入した液体が、今まで入っていた液体のガス分を吸収する性質の液体であれば一気に蒸気圧は低下する

あつという間にタンク内は負圧に近くなりタンクが変形することがある
物質の混合により蒸気圧は変化すると言うことだ
混ぜると危険という言葉がある 一般的には混合による化学反応を注意する言葉である

タンクの場合は、混ぜることにより蒸気圧が変化することが怖い
急激に蒸気圧が低下すれば減圧状態になりタンクが変形するからだ

タンクに関しては、蒸気圧の変化に敏感になって欲しい
混合タンクや中間タンクなど色々な液が混ざるタンクではこのような事故が起こりやすい
タンクの排気弁などのつまりや、窒素シールなどはしっかりと点検して欲しい

 

2020年12月13日