安全管理指標-文書化できる能力

CSR監査や安全監査などで多くの企業を訪問することがある
それぞれの企業は、一生懸命安全な企業になろうと努力しているのは事実だ
安全に向けてどんな努力をしているか見極める時に、測る物差しがある
企業の管理者に、安全について質問をするとかなり優秀な答えがかえってくることもある
しかし、現場にいる人達続けて質問をすると、企業幹部の思いとは違う答えが返ってくる
つまり、企業は上から下まで同じ考えであるとは限らないとうことだ 幹部の言葉、だけで全てがわかるわけではない
企業の安全力を見るときに、口頭で回答させるのではなく文書を見せてもらうことも大切だ
まずは、企業トップの安全の考え方が明文化しているかだ
つまり経営の考え方が見える化されていなければ部下には伝わらないからだ
次は、安全担当の役員などの考え方をあらわした文書が存在するかだ 経営トップの言葉を租借した文書が存在するかだ
その次は、安全担当部長の文書だ 安全への基本的な考えを書きあらわした文書があるかないかだ
かなり具体的な内容が書き表せているかがポイントだ 
部長クラスも経営者とあまり変わらないなら、実践的指示が出ていないと思うべきだ
つぎは、製造部門の基本文書があるかだ 仕事の基本思想が書かれている文書があるかないかが分かれ道だ
文書はなくても組織は動くが、基本思想が無いということは運営にかなりバラツキがでるというリスクがあるということだ
基本思想があれば、運転の限界や、設備の弱点もわかる。それを承知しての管理ができるからリスクヘッジはやりやすい
強度計算書などエンジニアリング的な文書があるかもチェックしたい 工学的な思考をしているか確認することだ
物質危険性などはMSDSや文献をどの程度集めているかも調べてみることだ
安全の裏付けとなる情報をどれだけ集めているかも企業評価の一つだ 社外の事故事例を集めていることも大切だ
仕様書、図面、運転限界の考え方など技術文書のもみて欲しい 文書化できる技術があるかだ

口で言うのは簡単だが、文書で書き表すにはかなり考え方を整理していないと文書化はできないはずだ
ISOなどで文書化を要求しているのは、企業の成熟度を見る指標には文書化という大事なキーワードがあるからだ
文書化できる技術も磨いて欲しい

 


2021年01月11日