派遣や下請け化の労災に思う

派遣という制度ができてきたのは1986年だ。それまでは人材派遣などは許されていなかった
基本的に社員が主体で製造するという社会構造だった。
同年、労働者派遣事業と請負によって行われる事業を区別することを目的として「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」が告示されてる。
最初の派遣法において派遣で行える仕事は13業務に限定されていた。当時は専門語業務に派遣は限定されていた
しかし、景気の低迷とともに人材派遣業のニーズが高まったことから、1996年には26業務までに拡大された。
さらに1999年には一部の禁止業務を除き、広い範囲で派遣が認められることになった。
専門業務から汎用業務にも派遣が認められるようになってきた
それ以降、いくつかの見直しを経て、2012年、2015年、2020年の大幅な法改定に至っている。
当初の派遣の目的は、業務量の変化に対応して必要な人材を補充するという概念であった。
ところが、その後は単純労働など高度な知識を必要としない単純労働は社員から派遣へと業務形態が移行してきている。
今まで社員が行ってきていたことを、派遣という業務形態に切替えコストダウンが図られてきたのだ。
社員が作業してきたときは、企業側から社員へ教育が行われていた。
ところが、派遣に切り替わるとたんに教育もスリム化され新たな労働災害が発生してきているのではないだろうか
社員業務を派遣に切り替える際に、安全の確保が担保されるか検討してきていないことが問題点だ
派遣に切り替えるに当たっては徹底的に、リスクを解析し安全な作業環境と作業方式を導入することだ
社員でできていたから派遣でもできると安易な考えを持たないで欲しい
派遣への教育は極端に絞り込まれているはずだ。社員への教育内容とは圧倒的な差がある。
派遣に委託する作業では、本質的に安全な環境と作業内容になっているか見直して欲しい
社員だけが安全という考えでは成り立たない 派遣人材の安全も図ることが企業の責務だ
日本の企業が発展していくためには、派遣、下請けを含めた総合的な安全の確立が求められている

2021年02月02日