事故や災害に思う

 吸着熱の事故はご存じだろうか。反応器などの反応熱による事故は関心があるかもしれないが、発熱という物は全て事故につながっていく。重合熱、酸化熱、中和熱など発熱にはいろいろある。しかし、この吸着熱という物は案外事故の原因と知っている人は少ないのが現状だ。

 しかし、数十年に一度は起こっている事故のパターンだ。1976年3月姫路に企業で臭いのある物質を貯蔵するタンクで爆発事故が起きている。臭いを取り去るため吸着性物質を使っていたところ、吸着熱が発火点を超えタンクが爆発した事故だ。400度を超える温度まで、吸着熱で温度が上がっていたという。

 1976/3/9千葉県茂原市にある工場で同様な事故が起きている。廃液タンクで臭いを除去するため吸着性物質を使っていたときに起きた事故だ。この時の温度は500度を超えていたという。同じ企業でその後同じように、また吸着剤による発火事故が起きている

 吸着剤による、発火事故は案外世の中では知られていないが、10~15年毎に起きているのは事実だ。400度から500度くらいに温度が上がるのだから、たいていの物質の発火点を超えている。

 知らないと言うことほど恐ろしいものはない。

 

2017年02月02日