安全装置(インターロック)の解除が致命的な事故になることがある
旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所事故から、約35年が経っ。1986年4月26日に起きた運転中の非定常作業で起きた事故だ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E4%BA%8B%E6%95%85
この事故を若い人は知らないのかもしれない。世界に衝撃を与えた、史上最悪の放射能漏れ事故だ。
未だに、半径数十キロには人は住めず周りは廃墟となっているという。
この事故は、原子力発電所の装置の機能確認点検中に起きた事故だ
原子力発電所の外部電源が切れた時を想定して、非常用設備が安全に機能するかを確かめる試験をしていた時に事故が起きてしまった
本来なら、万一試験中に異常が起きても安全に原子炉が止まるようにしておかなければいけないのに、安全装置を解除した状態で、試験をしていた
安全装置を解除した状態で、試験を続けていたところ運転操作に失敗し原子炉が制御できなくなってしまい爆発が起こってしまった。
爆発により大量の放射能が拡散したにもかかわらず、情報を隠したことにより被害が広範囲に広まった
設計段階から、運転操作が難しいという特性もあった。
つまり、運転が難しいと言うことは、それに見合った十分な教育訓練が行われていなければならないのに十分な教育訓練は行われていなかったという。
この原子炉は、低出力では不安定という特性であったのに、試験はその危険な低出力運転状態で試験をするというハイリスクな試験だった。
なのに、安全装置を解除した状態であったことがこの致命的な事故につながってしまった。
2010年代、日本でも化学プラントでインターロックを解除して大きな爆発事故が起きている。2012年4月12日のことである
https://jp.mitsuichemicals.com/jp/release/2013/pdf/130123_02.pdf
工場の蒸気が停まり、プラントは停止インターロックを作動させ安全に停止操作に入った
ところが、停止操作中運転員が温度の下がりが悪いと思い別の冷却水に切り替えようとインターロックを解除してしまった
インターロック解除で反応器内の攪拌が停止したことに気づかず、しばらくして異常反応で爆発した事故だ
一時的ではあれ、安易にインターロックを解除したことで大きな事故につながった事例だ
安全装置を解除するれば事故につながると常に自分に言い聞かせることだ