事故や災害に思う

 会社に入った時最初に配属されたのは「計装」という部署だ。計装という業務は化学工場にある製造部門と直結する。温度や圧力など化学プラントの重要なパラメーターを管理するセンサーや制御を取り扱う部門だ。今から40年くらい前のことだ。入社当時はDCSなどは無くアナログ計器だった。空気式と電気式が混在していた。良く計器も壊れるので、構造原理も自然と身に付いた。プラントにも出入りするので、化学プロセスに関する知識も自然と身に付いた。おかげで石油化学工場にあるあらゆる製造部門を知ることもできた。用役プラントや出荷設備なども担当させてもらった。このことが、今安全情報を発信する時に大いに役立っている。

 最近は計装設備も壊れることが無くなり若い計装エンジニアーがトラブルを体験できないという。プラントも建設する機会は無いからなおさらだ。そんな背景もあり、今年の1月から雑誌「計装」という月刊誌で計装設備のトラブルをシリーズ物で1年間執筆することになった。流量計、液面計、圧力計、温度計、分析計、調節弁類とトラブル事例を書いていく予定だ。

 過去も現在も化学プラントの事故事例を調べていくと計装計器が引き金になっているものも多い。私の知っていることを少しでも次の世代につなげていきたい。

2017年02月09日