繰り返すタンク加圧 負圧変形事故 その2 サイホン現象
タンクが変形する事故は頻繁に起きている。 凹み、凸みなどの変形だ。
原因は、タンク内の圧力が急変するからだ。
タンクというのは、ほぼ密閉した容器だ。液を入れれば、排気設備がなければ当然タンク内の圧力は上がる
だから、排気設備が一般的には付けられている。ブリーザー弁やベント弁などとも呼ばれる装置だ
これによりタンクは、脹らむことはない。しかし、排気設備が故障すれば、液を入れていけば脹らむことになる
排気設備は、長期間点検しなければ錆び付いて動かなくなったり、金網などに異物が付き排気抵抗が大きくなる。
その結果、凸む事故が起こる
では、タンクから液を抜き出すときはどうだろう。やはり、吸気設備がなければ負圧になり凹んでしまう
吸気設備や吸気配管が必要となる。ブリーザー弁などと呼ばれる設備は、一般的に吸気と排気の両方の機能をもつ
しかし、時には排気機能はあっても、吸気機能を付けていなければタンクが凹む要因にもなる
タンクを凹ます要因の一つに、サイホン現象があることは案外知られていない
タンクの水張り検査などで、水を入れていているときに凹み事故が起こる
タンク上部のベント部にホーズをつないで、オーバーフローした水を地上に排出するようにしているときだ
タンク上部と、地上部では液ヘッド分だけ差圧がある
つまり、上から下へと液が一度流れ始めるとサイホン現象で水が止まらなくなるのだ
タンク内に水張りした水がどんどん減っていけばそこの空間部は負圧になる
水を止められなければ、結果として負圧空間がどんどん増え凹むのだ
事故事例を紹介する 川崎市が公開している資料だ
https://www.city.kawasaki.jp/840/cmsfiles/contents/0000096/96474/jikojirei.pdf
事故事例NO65を見て欲しい(資料の下に書いてある頁の139頁)
事故事例NO64にはタンクの膨らみ事故事例も紹介されている
事故事例NO66にはタンクの凹み事故事例もある
事故が起こるパターンはほぼ同じだ
タンクの凹みや凸む事故の危険源をしっかり学んで欲しい