140m煙突から転落死亡事故-踏み抜き事故

昨日大阪堺から仕事を終えて帰ってきた
ホテルから大阪堺泉北地区にあるコンビナートがよく見えた
沢山の高い煙突が見える。今から17年前の煙突事故を思い出した
7月の夏の暑い日だった。定修工事で、140mあるボイラープラントの煙突上部の避雷針と航空障害等を補修する工事だった
高さ100mの床だ。作業員数人で足場資材を吊り上げるため、床の中央部へ移動している時床が抜けて20m下へ作業員が転落した
安全ベルトをしていれば落下しなかったのだが、安全ベルトをロープに引っかけていなかった
ちょっとだけならという気持ちだったのだろうが真相はわからない
安全ベルトはしつこいくらいに着用して欲しい
自分の命をつなぎとめてくれるのが安全ベルトだと考えて欲しい

墜落の原因は、床が腐食して、紙のように薄くなっていたもののすすがたまっていてあたかも正常に見えたのだ
チェッカプレート鋼板で水はけが悪く、水がたまり腐食しやすかったのだ
事故後、床はチェッカープレート鋼板から、すきまがあり、水もたまらないグレーチング鋼材に変更された
25mの転落だった。墜落者を75m高さの床から下ろすのにも時間がかかり助けることはできなかった

金属であれば必ず腐食する。時間が経てばなおさらだ。煙突部周りは、硫黄酸化物も発生する。水と混ざれば硫酸を生成する
まさか床が抜けるとは誰も思わないのだろうが、こんな事故も現実起こっているのだ
2004年7月7日11時20分 一瞬の出来事だった まだ30才の若者だ
定期的に行う工事だが、周期が長い。10年くらい毎だ。長周期でやる工事のリスクに関して技術伝承ができていなかった
踏み抜きというリスクに対して安全管理がうまくいかなかったのだ
床材の腐食に関心を持って欲しい
踏み抜きという労働災害にも関心を持って欲しい

 

2021年09月03日