水抜きという作業を甘く見ていませんか

水抜きという作業がある。油の中に水が入るとまずいから、水を除去する作業だ
水という言葉を聞くとそれほど危険ではないと誰もが感じる。そこが、事故につながる。水抜きという作業には重大な危険が潜んでいる
石油精製や化学プラントなどでは、油の中にわずかに水が含有していることがある
販売する製品は基本的に油なので、水は不純物だ。
したがって、水を除去する作業が発生する。水は油より、密度が大きいので、相分離した場合下にたまる性質がある
タンクやドラムにたまれば、ドレン弁を開けて水を抜き出すことになる
バルブを開けて、水が出ている間は問題は無い。ところが、水が抜けて油が出始めたときが問題だ。
引火点が低い、油であれば流速が速ければ静電気で着火することもある
過去に、水抜き作業で静電気着火事故は起きている
衣服に火が回り死亡事故もある
水抜き中弁が半開で凍結して、LPGという液化石油ガスが大量に漏れて近くの高速道路を走って来るまで着火した事故事例もある
フランスの事故だが死者が45人も出ている
http://www.shippai.org/fkd/hf/HC0300001.pdf
http://tank-accident.blogspot.com/2015/01/lpg19661.html
水抜き作業というのは、本来液を抜くときは密閉系で処理できると良い
空気と油が触れさえしなければ発火事故にはならないからだ
ところが、多くの事故はドレン弁を開けて大気に液を放出する水抜き作業を行っているから事故が起こる
水抜き作業は、空気に触れない行う方法を考えて欲しい

 

2021年09月30日