HAZOPをうまく活用するには--なぜ事故が起こるのか

石油精製、石油化学、化学物質を取り扱う化学工場では安全性評価の手段としてHAZOPの活用が求められている
HAZOPというのは、ズレが事故の要因になるという考え方から生まれた安全性評価手法だ
化学工場であれば、温度というずれが事故につながることがある。
例えば、反応器の冷却水が、流れなくなったとしよう。つまり流れ、無しというずれが発生したとする
結果として、反応器を冷やすことができなくなり、反応熱により反応暴走して爆発が起こるかも知れない
つまり、冷却水の流れが無しというずれが起これば、反応暴走という事故のシナリオが想定できる
事故につながる、ずれは流量だけではない。液面や、圧力、温度、化学物質の成分量など多くある
一つ一つのずれを、P&IDフローシートという図面でチェックしていけば潜在する事故の要因を全て拾い出すことができる
そうはいっても、ずれがどんな危険なことを起こし出すかを想定するのはたやすいことではない
そこそこの危ないことは想定できるだろうが、なかなか最悪の事態を想定するのは容易ではない
昔のように、事故を色々経験していれば、事故の想定は経験をもとに考えることはできるが、昨今のように事故やヒヤリの経験度合いが少ない現状では想像するのはなかなか難しい
HAZOPをやることはいいことだが、HAZOPをやる前にやはりなぜ事故が起きるかを体系的に教育することが不可欠だ
人はどんなミスを犯すのか、物質危険性が引き起こす事故、設備のトラブルがどのように事故に進展するのかを知っておく必要がある
HAZOPを有効に実施して行くにはやはり事故が起こるメカニズムについて体系的な基礎知識が必要だ

 

 

2021年10月27日